総務省はMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMにおいて、契約書面の受領から8日以内であればユーザーが契約を解除できるようにする。2018年10月1日施行の方向で調整している。

 大手3社の携帯電話サービスや光回線サービスなどでは「初期契約解除制度」と呼び、クーリングオフに相当する仕組みを2016年5月に導入済み。同制度の検討当時は格安SIMに関する苦情・相談がほとんどなく、音声通話サービスは対象外(期間拘束付きのデータ通信専用サービスは対象)とした経緯がある。

初期契約解除制度の概要
出所:総務省
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 だが、格安SIMの利用拡大に伴い、トラブルが増えてきた。2017年4月には国民生活センターが注意喚起を出したほどだ。直近の苦情・相談件数は減っているものの、もはや対象外では済まされなくなった。総務省によると、音声通話サービスにおける契約初期の苦情・相談のうち、42.4%が契約解除を希望したというデータもある。そこで、初期契約解除制度の対象を広げ、消費者保護を強化する。

音声通話サービスの苦情・相談(左が契約初期、右が利用中)で寄せられた要望。2017年4月から9月にかけて全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)と総務省に寄せられた苦情・相談が対象
出所:総務省
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最大6000円+通信料は負担

 ただし、初期契約解除制度には注意点も多い。クーリングオフと同様、違約金を支払うことなく契約を一方的に解除できるが、契約解除までに使った通信料、事務手数料、工事費用は負担しなければならない。

 これらに加え、MNP(モバイル番号ポータビリティ―)転出手数料の請求も新たに認められる見通し。一部のMVNOは顧客の流出を防ぐためにMNP転出手数料を高く設定しているが、上限額は事務手数料と同じく3000円になりそう。つまり、最大6000円+通信料(工事費用はなし)の負担が発生する。

 さらに初期契約解除制度の対象はあくまで通信サービスであり、同時に購入した端末の返品は不可。MVNOが販売する端末はSIMロックがかかっていないことがほとんどのため、他のサービスと組み合わせて使えばよいが、欲しくもない端末を買わされた場合の救済策にはならない。

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