太陽ホールディングス(HD)傘下の太陽ファルマが医薬品販売の基幹系システムを半年間で開発し、2018年4月に同事業への新規参入を果たした。同社は太陽HDが2017年8月に設立した100%子会社で、現時点でシステムや業務に大きなトラブルはないという。

 「100億円規模の事業でシステムと業務を新規に立ち上げる試みは、医薬品業界で極めて珍しいが、無事やり遂げた」と太陽ファルマの有馬聖夫社長は胸を張る。パッケージソフトのライセンス料などを含めた総投資額は1億5000万円ほどとみられる。

 太陽HDは収益の大半をプリント配線板用ソルダーレジスト事業に依存しており、新規事業の開拓が急務だった。医薬品事業への参入に狙いを定めて太陽ファルマを設立し、2017年11月に中外製薬から特許切れ医薬品(長期収載品)13製品の製造販売権などを213億円で取得した。13製品の年間売り上げ規模は計116億円。承継時の取り決めで2018年4月に医薬品の販売業務を始める必要があった

 太陽ファルマの設立当初の社員数は6人ほど。業務開始まで約半年という時間的制約を考え、システム化の対象は販売管理を中心に絞り、営業窓口や倉庫は積極的にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用する基本方針を決めた。

既存パッケージに業務を合わせる

 100億円規模の事業の業務とシステムを約半年でゼロから立ち上げる。このプロジェクトのパートナーとなるITベンダー探しは容易ではなかった。7社に提案を依頼して協議を進め、最後まで提案を取り下げなかったテクノスジャパンと契約した。

 「システムと業務を同時に構築」「2018年4月に必ず業務開始」という条件を達成するため、太陽ファルマとテクノスジャパンは大きく2つの工夫を講じた。

 1点目は、テクノスジャパンから2人の全体PM(プロジェクトマネジャー)を配置し、太陽ファルマと複数の開発ベンダー、業務委託先などをつなぐ体制としたことだ。通常のシステム開発プロジェクトならシステムPMがいれば事足りるが、今回はシステム開発に加えて業務の洗い出し、必要な人員の確保、委託先との役割分担などを検討する必要があり、プロジェクト全体を俯瞰できる全体PMが必須だった。

太陽ファルマによる基幹系システム構築プロジェクトの体制
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 全体PMのうち1人が業務の構築、もう1人がシステムの構築を主に担い、最終的な意思決定を担う太陽ファルマの担当者と連携して作業を進めた。「この体制が組めたのが一番の成功の鍵」と今回の主要メンバーの一人、太陽インキ製造の渡部健情報システム部長は語る。

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