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図1 DMG森精機取締役社長の森 雅彦氏

 「クルマの電動化の動きは、技術と需要の動向をきちんと考えていければ、(工作機械メーカーにとって)追い風にしかならない」――。DMG森精機取締役社長の森 雅彦氏は、電気自動車(EV)へのシフトによってクルマの部品点数が減り、機械メーカーに負の影響があるとの見方を否定し、EV化は逆に大きなビジネスチャンスになるとの見解を示した(図1)。同社伊賀事業所で開催した顧客向けの展示会「伊賀イノベーションデー 2018」(2018年5月22~26日)に伴って開かれた記者説明会の場で述べたもの。

 EVはエンジン車に比べて40%程度の部品点数が減ると言われているが、森氏は「モーターは多数の部品から成る。(モーターの需要が増えれば)モーター部品の大ロット生産が必要となる。一方、その他の部品は多品種少量の小ロット生産が進む」とみる。このため従来の専用機を中心としたによる加工から、自動化と多軸加工を駆使した大ロット生産、および5軸複合機を活用した多品種小量生産の小ロット生産への2極化が進み、生産設備が多様化に伴って設備需要がますます増えるとの見解を示した(図2)。

 EVに欠かせないリチウムイオン2次電池についても、「さまざまな製造工程で、さまざまな生産設備が必要となる」(同氏)。よって、冒頭のコメントのように、EVシフトは工作機械メーカーにとって大きなビジネスチャンスとなるとみているいう。

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図2 2極化する自動車部品生産
(記者説明会の投影資料から)

「部品点数が減ることはない」

 そもそも「一部に言われているように全く部品点数が減るということは当面ない。ガソリン車は減るが、ハイブリッドやプラグインを含めるとエンジンがついたクルマは、まだ数千万台売れていく」(森氏)というのが同社の見立てだ。

 さらに、IT化の進展による半導体需要の伸びも工作機械需要を後押しするとの見方を示した。多様なガスや液体を扱う装置産業である半導体の製造では、さまざまな産業用装置が必要だからだ。

 直近の工作機械需要も旺盛で、2018年度のグローバルの市場規模は2017年度に比べて5.9%伸びると予想。「ドイツ、中国、アメリカ、日本などで活況が続いている」(森氏)という。

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