あるIT企業が打ち出した「喫煙者は採用しない」という方針が波紋を呼んでいる。プログラミング教育サービス「TECH::CAMP」を提供するdivだ。

 divの真子就有 代表取締役は2018年4月末に「喫煙者を一切採用しないことにしました」と題したブログエントリを公開した。「健康面のリスク」「生産性の低下」「周囲への悪影響」という三つの理由で、この方針に踏み切ったという。

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 このブログエントリに対しては1000件弱ものブックマークが集まった。ブックマークのコメントも「喫煙者を差別するな」という反対意見から「こんな会社なら入りたい」という賛成意見まで様々だ。まさに賛否両論である。

 実は、同社以外にも喫煙者を採用しない企業はある。有名なのは星野リゾートだろう(同社の採用関連ページ)。岐阜セラツク製造所という化学品メーカーも喫煙者は採用していないという(同社の採用関連ページ)。また、「企業、募集要項、喫煙しない方」をキーワードに検索すると、そうした募集要項がいくつか見つかる。

 採用基準としては特に打ち出していないが、禁煙を推進している企業もある。例えば通販企業のジャパネットは2016年に全拠点での社内禁煙を実施。禁煙を考える社員へのサポートも行う予定だとしている(同社の健康サポートのページ)。

 こうした企業が喫煙をマイナスに評価する理由は、一般論もあるだろうし、その企業特有の事情もあるだろう。ただ、Webページの限られた情報だけではわからないこともある。そこで真子氏に、喫煙者不採用の方針を打ち出した具体的な理由や経緯を聞いた。

幸い幹部に喫煙者がいなかった

 真子氏はもちろん非喫煙者だ。喫煙者不採用の方針は、4月末の経営会議で決定し、5月1日から実施している。今後はアルバイト、契約社員、社員を含め、喫煙者は採用しない方針だ。現在喫煙しているなら、たばこをやめると誓約したうえで入社する必要がある。

 同氏が企業内での喫煙の問題を考えるようになったきっかけは、IT企業でインターンをしていた学生時代にさかのぼる。ミーティングが終わるとぞろぞろと喫煙所に向かう人達を目にしていた。当初は「大人というのはそういうものなのか」と思っていたという。ただ一方で、「たばこ休憩が喫煙者にだけ認められるのは不公平ではないか」と主張する人も複数いた。

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