次代を担う新たなバスが走り出した――。トヨタ自動車は2018年4月20日、新型の燃料電池車(FCV)バス「SORA」を都内で報道陣向けに公開した。同社が2014年に投入した乗用タイプのFCV「ミライ」が搭載する燃料電池技術を流用しつつ、商用車に必須となる耐久性の向上に注力。車両の代替までに、乗用FCVの6倍に相当する120万kmを走行可能とした(関連記事:トヨタの新型FCVバス、二つの“日本初”で安全に)。

トヨタ自動車の新型FCVバス「SORA」のフロントエンブレム
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 新型FCVバスの開発責任者を務めたトヨタCV製品企画ZM主査の権藤憲治氏は「FCVにおける耐久性向上のポイントは、発電に使うFCスタックの劣化を防ぐことだ」と語る。

 特に、車両質量が大きく走行に大トルクが必要なバスの場合、FCスタック内部の電位変動が大きくなりやすい。電位変動が大きくなると、スタック内部で水素と酸素の活性化を促す触媒が劣化しやすくなる。触媒の反応が鈍くなって出力が落ちやすくなる。

 トヨタは耐久性の向上を図るために、FCスタックの制御をミライから刷新した。電位変動を可能な限り一定にするために、搭載するニッケル水素電池から出力を補完できるような仕組みに変更。触媒にはコストに対して性能が高いPt(白金)を用いているが、さらなるコスト削減を目指してPtを使わない触媒技術を研究開発中だという。

新型FCVバスの外観、斜め前から
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新型FCVバスの技術を解説するトヨタCV製品企画ZM主査の権藤憲治氏
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