「欧州向けの乗用車から2018年内にディーゼルエンジン車をなくす」。トヨタ自動車専務役員でトヨタモーターヨーロッパ社長兼CEOのヨハン・ファン・ゼイル(Johan van Zyl)氏は、こう公言する(図1)。

図1 トヨタのヨハン・ファン・ゼイル氏と3代目「Auris」
図1 トヨタのヨハン・ファン・ゼイル氏と3代目「Auris」
2代目まで設定していたディーゼルエンジン車のモデルをなくし、出力に振ったハイブリッドシステムのモデルをラインアップに加える。
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 同発言が飛び出したのは、2018年3月開催の「ジュネーブモーターショー2018」における同社のプレスカンファレンス。同社は同プレスカンファレンスで、全面改良して3代目となる小型車「Auris」を発表したが、同車でも2代目までは設定していたディーゼルエンジン車を廃止し、選択肢をガソリンエンジン車とハイブリッド車(HEV)のモデルに絞った。3代目Aurisでは具体的には、1.8Lと2.0Lのハイブリッドシステム、1.2Lターボガソリンエンジンをラインアップする。

 欧州市場向け乗用車においてディーゼルエンジン車の廃止に動いているのは、トヨタだけではない。ホンダも、一部車種においてその動きを見せ始めた。同社は、今回のジュネーブショーで3代目となる新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「CR-V」の欧州向け量産モデルを発表したが、そのパワートレーンの選択肢からディーゼルエンジン車モデルをなくした(図2)。具体的には、1.5Lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジンのモデルと、2.0L直列4気筒自然吸気ガソリンエンジン(アトキンソンサイクル)と2モーター式のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を組み合わせたモデルの2種類とした。

図2 ホンダの新型SUV「CR-V」欧州向け量産モデル
図2 ホンダの新型SUV「CR-V」欧州向け量産モデル
2代目にはなかった3列シートのモデルやハイブリッド車のモデルを追加した。2代目まで設定していたディーゼルエンジン車のモデルはなくした。
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 もっとも、ホンダの場合は小型車「シビック」の欧州向け量産モデルでは、排気量1.6Lのディーゼルエンジン車の設定を残している。同社の欧州法人で顧問を務めるコンサルタントの山本幸太郎氏によれば、CIVICでディーゼルエンジン車モデルを残したのは、LNT〔リーンNOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒〕のNOx浄化性能が上がったことで、小排気量のディーゼルエンジンでは尿素SCR(選択型触媒還元)システムを使わずに2020年のRDE(Real Driving Emission)に対応可能になったためである。ただし、「(同LNTを適用できるのは)ぎりぎりシビックまでで、それより排気量が大きくなると尿素水なしでは排ガス規制への対応が難しい」とする。確かに、尿素SCRシステムを搭載すれば規制に対応できるが、コストや尿素水の補充の手間を考えるとユーザーの負担が増えてしまう。ちなみに、LNTのNOx浄化性能が上がったのは、「LNTのセル数を増やし、触媒の貴金属の配合を最適化したため」(同氏)とする。

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