2017年は電気自動車(EV)がブームとなったが、2018年には早くも市場関係者の興味は薄れる可能性が高い。ここ数年EVに関する大きな技術革新はほとんどなかったからだ。EVの肝である電池は化学をベースとした材料技術であり、半導体の微細化のような指数関数的な高性能化や低コスト化は期待できない。これまで通りのペースで粛々と技術開発が進むとみられる。

 むしろ飛躍的な進化が期待されるのは、半導体の微細化技術を直接的に利用する自動運転技術の方だろう。人工知能(AI)やソフトウエアの技術は、半導体よりももっと進化が速い。このため、2018年は市場関係者の興味は「EVから自動運転にシフトするのではないか」(ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリストの中西孝樹氏)との見方もある(関連記事:トヨタはEVで遅れているのか? 課題は電池)。

 そもそもEVが注目を集めたキッカケは、技術というよりは政治的な色合いが強かった。キッカケはドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen:VW)のディーゼル不正問題に端を発した欧州の大気汚染問題である。都市部の大気汚染が社会問題化し、欧州では「2040年までに内燃機関の販売を禁止する」といった大衆迎合的な政策が次々と打ち出された。

 この状況をうまく利用したのが中国だった。世界で最も厳しい環境規制といわれる「NEV(新エネルギー車)」規制を立ち上げ、自国に巨大な電池産業を形成しようとしている。NEVは「本当に実現できるのか疑問の声が出るほど、とんでもない世界最強の規制」(中西氏)という。補助金が徐々に減っていく中で、段階的に高まるNEVの要求に応えていくのは、自動車メーカーにとっては非常に厳しい。それでも中国の販売比率が高い自動車メーカーは対応せざるを得ない。

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