アイシングループで自動車用のブレーキシステムを手がけるアドヴィックスは、自動運転時代に欠かせない車両の統合制御技術に注力している。同社専務取締役技術開発部門の五島貴弘氏は、「統合制御の領域を獲得できなければ、部品メーカーとしての成長は難しくなるだろう」と危機感を募らせる。

アドヴィックス専務取締役技術開発部門の五島貴弘氏
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 統合制御は、ブレーキやステアリング、パワートレーンなどを総合的に制御し、車両の走行安定性を高める技術である。自動運転車では乗り心地などの「感性品質」を高めることが重要であり、統合制御へのニーズが高まると同氏は指摘する。「人間が運転する場合は多少無理な曲がり方をしても自分で操作しているので安心感がある。ところが自動運転ではシステムが操作するため、走行が安定しないと不安や恐怖を感じてしまう」(同氏)。

 統合制御システムは、自動運転を司る車載コンピューターから指示を受けると、複数のアクチュエーターを総合的に制御して最適な走行を実現する。すなわち、「自動運転システムの上流側にある車載コンピューターと、下流側のアクチュエーターをつなぐ“ハブ”のような役割を持つ」(同氏)。この領域を手がけることで、「個別のアクチュエーターを変えることなく、統合制御ソフトをチューニングするだけで、さまざまな自動車メーカーの要求に応えられる」(同氏)という。

統合制御の領域を狙う
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 逆に統合制御の領域を獲得できないと、ソフトウエアによる付加価値の向上ができなくなり、アクチュエーターのコモディティー化が進む。自動車メーカーとの接点も失い、「事業の広がりが見込めなくなる」(同氏)。

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