積水ハウスの住宅展示場に、家族連れが多く訪れる2018年のお正月商戦から新しいIT機器が導入された。自由設計の注文住宅プランを、VR(仮想現実)を使って邸別に360度のパノラマ空間画像で表現し、簡単に見られるようにしたものだ。

住宅展示場で簡単にVR(仮想現実)を体験できる。建物や庭など360度の空間を見渡せる
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 ほかの業界を見れば、VRそのものの導入自体は珍しくなくなってきた。だが個別の注文住宅1軒ごとにオリジナルのVR画像を短時間で生成し、顧客がすぐに立体画像を見られるようにしたのは、積水ハウスが住宅業界初だという。

VR画像をCADデータから邸別に自動生成

 積水ハウスは顧客との打ち合わせの翌日には、邸別にVR画像を生成して提案できる。そのために、新たにVR画像を生成できる仕組み「V-Ray(ブイレイ)」を導入した。V-Rayはブルガリアのカオスソフトウエア(Chaos Software)が開発した、CADデータをVR画像に自動変換する「レンダリング」と呼ばれる処理のためのシステムである。積水ハウスはV-Rayを日本ユニシスから購入した。

360度のパノラマ空間に矢印が表示され、家の中を動き回れる
(出所:積水ハウス)
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 投資額は約5億円と決して安くない。だがV-Rayの採用で、積水ハウスは競合の住宅メーカーに先んじて、邸別のVR画像プランを使った住宅提案ができるようになった。積水ハウスは全国に約4000人の営業担当者を抱え、1カ月に約1万回もの提案活動をしている。そうした営業担当者のIT武装としてVRが加わった。

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