誰かに何かを説明したりプレゼンしたりするシーンは、エンジニアにもよくあるでしょう。思いつくままに話すだけでは、聞いている人には伝わりにくくなります。これは。ビジネス文章を書くときと同じです。

 今回は、部下のプレゼンにストレスを感じているリーダーの悩みを取り上げます。回答するのは、SEをはじめ技術の現場で働く人を対象に文章作成の指導をしている豊田倫子氏です。

相談:部下のプレゼン、要点がつかめない
 何を言いたいのかつかみどころがない部下のプレゼンに、ストレスを感じています。
 要点が分かりやすく伝わるように要領良く簡潔に話してほしいのですが、どのように指導したらよいでしょうか。

 分かりやすい文章の構成には型があります。例えば論文などは、「序論・本論・結論」の順に構成します。これと同様に、プレゼンテーションにも型があります。

 今回は、2つの型を紹介します。「SDS法」と「PREP法」です。

 SDS法では、以下の通りに内容を組み立てます。

  • S:Summary(概要)
  • D:Detail(詳細)
  • S:Summary(概要)

 簡単なサンプルを示します。

 「今期は黒字です。昨年発売した新製品の売り上げが好調でした。その結果、今期は黒字になりました。」

 もう1つのPREP法は、次の通りです。

  • P:Point(要点)
  • R:Reason(理由)
  • E:Example(例)
  • P:Point(要点)

 「この〇〇をお勧めします。理由は、リサイクルできて環境に良いからです。例えば××に採用されていて効果が出ており、価格も安価です。こういう理由から〇〇をお勧めします」

 伝えたい内容によって、この2つを使い分けます。例えば、決算についての説明など理解するだけでよいものはSDS法を使い、企画の提案など意思決定をしてもらいたい場合はPREP法を使います。

 この型に沿ってプレゼンの内容を考えることで、自分が伝えたいポイントは何か、その理由は何かを整理できます。その結果、簡潔で要点がまとまったプレゼンができるようになります。部下に浸透させたければ、プレゼンテーションのテンプレートを作成して部内に配布しておくとよいでしょう。

 SDS法とPREP法に共通するのは、「言いたいことを2回言う」ことです。SDS法の場合はSummary、PREP法の場合はPointを冒頭と末尾の2回伝えます。これによって、最も伝えたいことを聞き手に印象付けられます。

豊田 倫子
コンピュータハウス ザ・ミクロ東京
豊田 倫子 ヘルプデスクや検証技術者などを経て、約20年前から教育サービスに携わる。新⼊社員研修やリーダー研修、マネジャー研修などの企画コンサルティングや教材開発、研修講師、研修運営などを担当する。⼈材育成研修の受講⽣は延べ7万⼈。特に⼈気の研修が、本セミナーのベースとなっている⽂章⼒研修で、これまでに約5000⼈の⽂章を指導してきた。⽇経 xTECH ラーニングの⼈気セミナー「伝わる⽂章の査読・指導スキル養成講座」の講師を務める。