建築確認申請でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を義務化したシンガポールでは今、建設業界全体にBIM活用が広がっている。もはやBIMなくしては建設プロジェクトができないと言っても過言ではない。その中で、日本の建設業もBIMの活用力を伸ばし、その実力をいかんなく発揮している。現地からリポートする。

 「発注者がアズ・ビルト(竣工図)のBIMモデル提出を要求するのは、もう当たり前になっている」―――シンガポールの建設プロジェクトを手がける日本の建設会社の技術者は、口々にこう語る。

 もちろん、その目的は、建物の運用・維持管理段階のファシリティー・マネジメント(FM)にBIMモデルを活用したいからだ。日本ではFMにBIMを使う例はまだあまりないが、シンガポールでは既に当然という状態まで、建物オーナーのニーズが高まっているのだ。

鹿島が施工した「メディアコープキャンパス」。発注者から竣工BIMモデルの提出が求められた(写真:家入龍太)
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五洋建設が施工中の「センカン総合病院」の現場。ここでも竣工BIMモデル提出が求められた(写真:家入龍太)
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 その背景には、シンガポール建築建設庁(以下、BCA)が床面積5000m2を超える建物に対し、2015年までに建築確認申請で意匠、構造、設備のBIMモデル提出を義務付けたことがある。

 国を挙げてのBIM導入運動の結果、同国では建築設計事務所はもちろん、建設会社や発注者までBIM活用が急激に広がってきたのだ。