国土交通省は、落石対策などを沿道の土地所有者に義務付ける「沿道規制」に本格的に取り組む。2月2日に閣議決定した道路法改正案で、土地所有者に防災対策を命じた道路管理者が、その対策費用を所有者に補償する規定を新設。土地所有者が防災対策に取り組みやすい環境を整え、私権への配慮から死文化していた沿道規制を蘇生させる。

沿道からの落石で死傷事故も発生している(写真:国土交通省)
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 道路法では、道路の構造や交通に及ぼす損害や危険を防止するため、道路管理者が道路に接続する区域を政令や条例で定める基準に従って「沿道区域」(片側幅20m以内)に指定できると規定。さらに、沿道区域内の土地や竹木、工作物が道路に影響を及ぼす恐れがある場合には、道路管理者が土地所有者などに必要な防止措置を命じることができるとしている。

 この規定は1952年の道路法制定時から設けられており、それ以前の旧道路法にも同趣旨の規定があった。しかし、道路管理者による実際の運用は極めて慎重に行われてきた。

 例えば、国交省では法施行から半世紀以上たった現在でも、直轄国道の沿道区域を指定するための政令を定めていない。背景には、道路法の適用は道路区域内に限るという原則があることに加え、私権制限を伴う道路区域外への適用をむやみに拡大すべきではないという考え方がある。

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