和歌山県紀の川市で昨年10月、豪雨で崩れた斜面の土砂が民家を直撃して男性1人が死亡した問題で、県が斜面上部に整備した農道の盛り土が崩壊を誘発したと考えられることが分かった。県は農道工事の責任を認めて遺族に謝罪するとともに、外部有識者で構成する調査検討会(会長:大西有三・京都大学名誉教授)を立ち上げて詳細な原因究明を進めている。

崩壊した紀の川市西脇地区の斜面。上部の農道は幅約6mでアスファルト舗装された状態。路肩に防護柵などは無い。農地に向かう車両などの利用に限定し、一般車両の通行は認めていなかった(写真:和歌山県)
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 斜面崩壊が起こったのは昨年10月22日。台風21号の影響で紀の川市西脇地区の斜面が東西方向に幅約50m、南北方向に長さ約70mにわたって崩れた。

 農道は、地山の斜面を掘削し、軟岩の基盤上に築いた補強土壁を土留めとする構造。ジオテキスタイルと呼ぶポリエチレン製のネットをはさんだ補強土壁の上部に、現地発生土で盛り土して農道を整備した。

農道の横断図
和歌山県の資料に日経コンストラクションが加筆
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 調査検討会では、現場は設計通りに施工されていたとしている。盛り土の支持層となる軟岩層があることも、施工写真で確認した。軟岩層の支持力も、載荷試験で十分だったことが分かった。

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