厚生労働省は、山岳トンネル工事の切り羽で岩石が落下する「肌落ち」による労働災害を防止するため、新たな対策に乗り出す。施工者に対して、切り羽の状態を常時監視する専任者の配置や掘削面を小さくする部分断面掘削工法の採用などを求める。

 1月18日に「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」を改正し、各都道府県に通知した。さらに、建設関係の団体に周知啓発を要請したほか、国土交通省や高速道路会社など発注機関にも対策の徹底を求めた。

崩落した切り羽の様子。雷管(火薬)の装薬時に1回目の崩落が発生し、岩塊とともに雷管が落下。作業員が雷管を回収するために切り羽に向かったところ、2回目の崩落が発生。作業員が岩塊の下敷きとなり、死亡した。崩落した岩塊の総量は約14m3(写真:厚生労働省)
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 背景には、切り羽の肌落ちによる労災が後を絶たないことに加え、いったん発生すると重篤度が高いことがある。厚労省によると、2000年から10年までの肌落ちによる被災者は47人を数え、そのうち3人が死亡。休業1カ月以上のけがをした人も約4割に上る。
 
 そこで厚労省では、肌落ち災害防止のためのガイドラインを16年12月にまとめた。切り羽付近への立ち入りを原則禁止とするほか、切り羽にコンクリートを吹き付けるなど肌落ち防止措置を取るよう求めている。ただし、ガイドラインには法的な強制力はない。

(資料:厚生労働省)
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