日本技術士会が3月1日に公表した2016年度の技術士第二次試験の結果によると、建設部門の最終合格率はここ10年間で最低だった15年度を1.2ポイント上回る13.1%だった。筆記試験の合格率が3年ぶりに前年度を上回ったことに加え、口頭試験の合格率も全体で1ポイント程度、上昇したようだ。合格率が100%だった科目もある。

●技術士第二次試験の合格率の推移
(注)以下の表も合格率は対受験者の合格率(%)。文部科学省や日本技術士会の資料を基に作成
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 建設部門の全11科目のうち、8科目が前年度を上回った。なかでも、低迷していた「道路」の合格者が15年度の2倍弱に急増して合格率は17.2%になり、13年度ごろの水準に回復した。「鋼構造及びコンクリート」や「トンネル」も上昇している。合格率が最も高かったのは「電力土木」の23.7%。15年度を11.2ポイント上回った。

 一方、15年度は最終合格率が全11科目で最も高かった「施工計画、施工設備及び積算」が16年度に2.5ポイント落ち込んだほか、「河川、砂防及び海岸・海洋」も2ポイント低下して建設部門の中では最低の9.6%だった。同科目の合格率が10%を下回るのは、07年度の8.8%以来だ。

●建設部門の科目別の最終合格率
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 最終合格率と併せて各科目の受験者数なども明らかになった。筆記試験の合格率を改めて算出すると、15年度から最も上昇したのが9.1ポイント増の「道路」。次いで「電力土木」が5.9ポイント、「鉄道」が1.5ポイント、それぞれ15年度を上回っている。

●建設部門の筆記試験の合格率
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 16年度の筆記試験を振り返ると、択一式では過去問題とほぼ同じ内容の出題が増え、15年度より解きやすい問題が多かった。さらに、出題の範囲やテーマがほぼ固まってきたこともあり、択一式の合格率は高まったと考えられる。

 一方、記述式は選択科目によって難度に差がみられる。例えば、合格率が落ち込んだ「河川、砂防及び海岸・海洋」では、幅広い知識が求められる傾向が続いており、16年度は選択しづらい問題が多かったようだ。

 「施工計画、施工設備及び積算」は、多くの設問が同科目で定番のテーマから出題されており、15年度に比べて容易になったと思われるものの、題意を誤解した受験者が少なくなかった。解答者が自身の立場を明示して答えるよう求められるなど、これまでに例のない問われ方に戸惑った人も珍しくなかった。

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