問題の擁壁の概念図(資料:会計検査院)
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 新潟県が実施した擁壁工事が、会計検査院から根入れ不足を指摘され、不当事項となった。工事を担った施工者が、設計図書を十分に確認しないまま施工。擁壁の一部で所定の根入れ深さを確保できていなかった。

 この擁壁工事は、同県が農林水産省の国庫補助を受けて手掛けた農村地域防災減災事業の一環。2015年度に同県糸魚川市大倉地区で斜面の地すべり防止対策として実施した。

 L形の金網(幅2.0m、高さ0.5m)に中詰め材として砕石を投入し、一体化させたものを4〜6段積み重ねるなどして高さ2.0〜3.0mの擁壁とし、これを延長50.0mに渡って築造した。

 同県はこの擁壁の設計を日本道路協会の「道路土工 擁壁工指針」(以下、指針)に基づいて実施した。

 指針では、「擁壁の直接基礎の計画地盤面などからの根入れ深さ(以下、根入れ深さ)は、風化作用による地盤の劣化などの影響を考慮する必要がある」とし、原則として0.5m以上確保するように求めている。

 同県はこれを踏まえて、擁壁の前面を土砂で0.5m埋め戻すように設計し、それに従って施工することとしていた。

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