首都高上空に架かるアーチの水管橋をトラスに架け替える。桟橋形式の首都高を高架橋形式に更新する際、支障となるからだ。アーチの撤去とトラスの架設は、首都高を通行止めにした深夜の短時間で実施。数々の工夫を凝らした。

クレーンで吊り上げられる水管橋のアーチ。モノレール直上のブロックが最初に撤去された。2016年10月25日午前3時すぎ撮影(写真:大村 拓也)
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 東京都品川区の臨海部を通る首都高羽田線の大規模更新工事に伴い、2016年9月から進められてきた大井水管橋の架け替えが17年1月に完了した。京浜運河を東西に横断する橋長165mの2径間ランガーアーチは、羽田線と交差する1径間がトラスへと姿を変えた。

 羽田線の大規模更新工事は、京浜運河沿いを南北に走る延長1.9kmの区間を、桟橋などから高架橋などへ造り替えるものだ。1963年の開通から50年以上がたち、海面近くにあるコンクリート構造物は腐食や損傷が進んでいる。総事業費は約1000億円。完成は26年度の予定だ。

 水管橋の下を通っていた羽田線は更新後、海面から離れた高架橋となり、大井水管橋の上をまたぐ。首都高速道路会社東京西局プロジェクト本部品川工事事務所の斎藤一成工事長は、次のように説明する。「従来のアーチのまま越えようとすると、羽田線の高架橋をより高くしなければならない。車の走行性を確保するためには、道路の勾配を緩やかにし、その区間も長くする必要があった」。背の高い高架橋が長く続くほど、工事費もかさむ。

 そこで、首都高は水管橋を管理する東京都水道局と協議のうえ、アーチライズ10mのアーチを桁高4.2mのトラスに架け替えることにした。水管橋の高さを約6m下げ、羽田線の高架橋の高さを抑える。羽田線の大規模更新工事を手掛ける大林組・清水建設・三井住友建設・東亜建設工業・青木あすなろ建設・川田工業・東京鉄骨橋梁・MMB(エム・エムブリッジ)・宮地エンジニアリングJV(以下、首都高東品川JV)が、水管橋の架け替え工事も担った。