日本初の都市間高速として名神高速道路が開通してから半世紀余り。舗装工事が大きく変わろうとしている。NIPPOは新名神高速道路で「ICT舗装」を先取りした転圧管理や合材の温度管理を実践。“ぶつからない建機”も投入し、安全性の向上にも取り組む。

マカダムローラーの運転席に搭載した転圧管理システムの端末。1回目の転圧は赤、2回目は黄、3回目は青で示し、踏み残しをなくす。1周波GNSS受信機やインターネット接続機能などが端末内に集約されている(写真:日経コンストラクション)
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 名古屋と神戸を結ぶ全長174kmの新名神高速道路。その西端に当たる川西インターチェンジから神戸ジャンクションまでの区間は、2017年度末の開通を目指して工事が終盤に差し掛かっている。

 同区間のうち約11kmの舗装工事を担うNIPPOは、アスファルト合材の転圧管理や温度管理などに最新のICT(情報通信技術)を活用。国土交通省が17年度から実施する「ICT舗装」を先取りする形で、様々な技術の使い勝手を確かめている。

 舗装工事の品質管理や出来形管理は、名神高速道路などを施工した半世紀前と大きく変わっていない。早くからセンサーなどを活用し、ミリ単位の施工精度を実現してきたことの裏返しだ。しかし、水平方向に水糸を張って敷設前後の路面高さを測る「下がり検測」など、人手を要する管理方法は今も続いている。

 「ICTによる管理や検査の効率化に向けて、いずれ発注者と話し合うテーブルに着きたい。その前に、施工者として実際の費用や手間をどれほど減らせるのか、検証するのが目的だ」。NIPPO生産機械センターの相田尚・機械開発課長はこう話す。

 工事を発注した西日本高速道路会社は、合材が所定の密度となるように、事前の試験施工を基に転圧回数と転圧温度を定めている。

 そこでNIPPOは、初期転圧を担うマカダムローラーにアカサカテック(横浜市)が開発した転圧管理システム「Smart Roller」を採用。何回転圧したのかなどを色分けして運転席の端末に表示するほか、データをクラウドで一元管理する。「踏み残しがないか確認でき、施工の品質保証につながる」(NIPPOの鈴木知雄所長)。

 同システムは位置情報を1周波のRTK-GNSS(GNSSはGPSなどの衛星を用いた測位システムの総称)受信機で取得するのが特徴だ。2周波を受信する従来の装置と比べて精度は変わらず、費用を半減できる。