「課題解決能力」を問うIIIの論文は、2017年度も16年度までと同様に二つの問題から1問を選択し、600字詰め用紙3枚以内に2時間で記述する形でした。出題内容は「最新の状況」や選択科目に共通する「普遍的な問題」を対象としています。

 出題文の多くは2、3の小問に分かれており、現状や背景、課題、解決策といった流れで論述するパターンが一般的です。さらに、解決策を提示した後に課題や留意点、デメリットといった「残存リスク」を記述するよう求める設問も定着してきました。17年度も16年度と同等の8割の科目が、小問の最後で尋ねています。

半数の科目で「生産性の向上」がテーマに

 個々の出題内容を見ると、最新の施策や時流を意識した出題の割合が高まってきました。例えば全11科目のうち、半数の科目が生産性の向上をテーマとしています。

 「土質及び基礎」と「河川、砂防及び海岸・海洋」では16年度に続いて出題されました。「鋼構造及びコンクリート」の鋼構造などのように、出題文に「i-Construction」と明示した科目もあります。

 生産性の向上によって省力化や効率化を図るだけではなく、17年度は品質の確保や雇用にまで踏み込んだ設問が目立ちます。同じ生産性の向上でも科目によって出題の意図や論述すべき内容が異なってきました。18年度の試験でも同様に、問題文をよく読んで題意を外さないようにしてください。

 生産性の向上に次いで多かったのが、IIIの論文では定番の防災・減災です。16年4月の熊本地震や頻発する昨今の豪雨災害を背景とした出題が中心です。今後も近年の災害の事例とともに、その後に打ち出された基準やガイドラインなどを押さえておきましょう。

 維持管理に関連するテーマも16年度などに続いて取り上げられています。既存のストックをどう活用するかの視点は、18年度の試験でも重要です。

 17年度に上記の生産性や防災、維持管理のいずれかに関連して出題した科目は、全11科目のうちの8割を占めています。今後も押さえておくべき分野と言えそうです。

解答すべき内容を具体的に提示

 出題テーマだけでなく、多くの科目で問われ方が変わってきた点も17年度の特徴です。16年度までと比べて「あなたの考えを述べよ」といった抽象的な設問は減り、解答すべき内容や項目を具体的に示す傾向にあります。

 例えば、ハードとソフトの両面について課題や解決策を挙げるよう求めたり、素因と誘因の視点から論述するよう出題文の中で説明したりしています。さらに、「課題を三つ」や「二つ提案」など、課題や解決策の解答数を指示する科目が増えています。

 採点しやすくなるとともに、採点者が異なっても評価に差が出ないよう、各小問や個々の設問項目に詳細な基準がそれぞれ設けられているとみられます。

 受験者にとっても設問の条件が具体的になって記述しやすくなりましたが、問題文で示された条件を見落としたり、先述の出題テーマの場合と同様に題意を外したりすると、合格は困難です。問われていることに確実に答えるには、問題文に対する「読解力」を鍛えることも欠かせません。

 以下では「道路」の17年度の出題内容について、もう少し詳しくみていきます。

ここからは有料会員の登録が必要です。