出題形式は2013~16年度と同様に、全20問から15問を選んで解答する五肢択一式の形でした。試験時間は1時間30分で、合否判定基準も16年度などと同じ60%(9問)以上です。「最も適切なもの」を選ぶ問題は13年度以来、最少の2問でした。

 17年度も過去問題や国土交通白書、時事的な話題、環境やエネルギー、専門用語などから出題されており、出題パターンに大きな変化は見られません。ただし、それらの割合や選択肢の内容が大きく変わりました。16年度にも増して、最新の数値や話題について問われる傾向にあります。

●2017年度の試験で出題された主なテーマやキーワード
問題 主なテーマやキーワード
I-1 交通事故、就業者数、維持・修繕工事の割合、訪日外国人旅行者数、貿易収支
I-2 官民連携、インフラシステムの海外展開、インフラのメンテナンス、i-Construction、インバウンド観光
I-3 ダンピング受注、JIS Q 9001、CM方式、コンクリート工の生産性向上、調査と設計の品質
I-4 公共工事等における新技術活用システム、PFI、i-Construction、トータルコストの縮減、性能規定
I-5 広域地方計画、地域再生法、半島振興法、三大都市圏の整備法、国家戦略特別区域法
I-6 都市再生特別措置法
I-7 環境影響評価法
I-8 我が国の部門別二酸化炭素排出量の推移
I-9 常時観測火山、災害対策基本法、首都直下地震、気候変動の影響への適応計画、国連防災世界会議
I-10 自主防災組織、洪水ハザードマップ、業務継続計画、避難勧告等に関するガイドライン、被災者生活再建支援法
I-11 再資源化・縮減率、下水汚泥、低炭素型静脈物流促進事業、木材の利用、建設発生土
I-12 建設投資額、建設業許可、コンセッション方式、売上高営業利益率、建設機械の購入台数
I-13 道の駅、整備新幹線、LCC(格安航空会社)、クルーズ船、地域の生活交通
I-14 交通政策基本計画、バリアフリー法
I-15 防災・減災の情報インフラ、Lアラート、データセンター、技術の開発・活用とインフラの安全、地震や津波による被害の予測
I-16 JIS Q 9000シリーズ
I-17 水力発電、地熱発電、風力発電、バイオマス発電、太陽光発電
I-18 AE剤、静止土圧、圧密、アルキメデスの原理、レイタンス
I-19 単価包括合意方式、グリーンインフラ、ISO55000シリーズ、コンクリートの単位水量、女性技術者・技能者
I-20 コンクリート打設時の材料分離、ネガティブフリクション、LRT、インフラメンテナンス国民会議、CIM

新しいキーワードを交えた設問が増加

 17年度も過去問題を基にした設問が最も多く、全100の選択肢のうちの約半分を占めています。ただし、過去問題とほぼ同じ内容の選択肢は、3割程度だった16年度から17年度は2割に減りました。五つの選択肢のすべてが過去問題と同じ内容の設問は見られなくなり、I-4のように「i-Construction」といった新しいキーワードと過去問題の選択肢とを組み合わせて問う形になってきたようです。

 出題のテーマは同じでも内容が大きく変わった選択肢の数は、16年度の1割から約2割に倍増しました。例えばI-3は、16年度までと同様に公共工事の品質確保がテーマですが、各選択肢の内容は一変しました。従来のJIS Q 9001やCM方式などの内容を変更するとともに、新規に作成した選択肢を交えて尋ねています。

 防災がテーマのI-10も、「避難勧告等に関するガイドライン」や「被災者生活再建支援法」など、それまで見られなかったキーワードを基にした選択肢が過半を占めています。用語の定義などを問うI-19の選択肢の内容やキーワードは、多くが初めて出題されたものでした。

 過去問題の数値を最新のものに置き換えた選択肢が増えてきたのも17年度の特徴です。14年度の問題を基にしたI-1は、ほとんどが17年1~3月に公表された資料から出題されました。I-8では、14年度のグラフを17年4月に環境省が発表したデータに更新しています。

 このように過去問題の内容を覚えただけでは解けない設問は、18年度も多くを占めると思われます。問題の番号ごとに出題されるテーマは定着してきましたので、過去問題のテーマやキーワードを基に、最新の数値や関連する話題を確認しておきましょう。

具体的な数値を示して問う傾向に

 過去問題に次いで多いのが、国土交通白書からの出題です。17年度は全100の選択肢のうち、16年度と同等の3割程度を、過去問題との重複を除くと約2割を占めています。国土交通白書2016の本文だけでなく、参考資料編や欄外の注記から出題された選択肢も見られました。18年度は同白書2017からの出題が中心になると思われます。

 17年度も、循環型社会の形成をテーマとするI-11で建設廃棄物の再資源化・縮減率について問われたほか、I-12の建設投資額やI-1の就業者数など、建設産業に関わる数値についても出題されました。いずれも国土交通白書2016に記載されています。さらに、過去問題を最新の内容に修正したI-9の火山やI-10の洪水ハザードマップの数値も、問題文に記されているように同白書からの出題です。

 ただし、16年度までは数値の多寡や増減の傾向などを問う内容が中心だったのに対し、17年度はより具体的な値を尋ねる傾向が見られます。18年度も正しい数値や傾向を理解していないと解けない設問は少なくないと思われます。白書の本文だけでなく、グラフや表にも目を通し、主な数値や動向を押さえておく必要がありそうです。

 国土交通白書から出題されるのは、数値だけではありません。例えばI-2の官民連携やインフラシステムの海外展開、i-Constructionなどは、問題文の冒頭で述べているように選択肢のすべてが平成27年度国土交通白書(国土交通白書2016)に記載されています。I-13の交通やI-14のバリアフリーで示した選択肢の正誤も、ほとんどが同白書から容易に読み取れる内容です。

 17年度は過去問題とほぼ同じ内容の出題が減り、新しいキーワードや数値について問う選択肢が増えました。16年度より難しくなったようですが、正答の選択肢は多くが明らかに間違いとわかる内容でした。合格率はそれほど悪化しなかった可能性もあります。

 次ページ以降に、17年度に出題された全20問を掲載します。解答は、各問題の次ページの冒頭に記載しています。過去問題を基にした出題は今後も続くと考えられます。18年度は17年度の問題も対象になる可能性があります。出題テーマやキーワードを確認し、18年度の試験に役立ててください。

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