不動産コンサルティングから建築工事までを手掛けるNENGO(ネンゴ、川崎市高津区)が、川崎市川崎区の日進町にある築50年以上のビルなどのリノベーションを総合プロデュースし、7月にグランドオープンさせた。

 新たな施設「unico(ウニコ)」は、食品向けパッケージの企画・開発やデザインなどを事業とするヨネヤマ(川崎市川崎区)の旧本社ビル2棟と倉庫を活用するリノベーションプロジェクトで、今後、NENGOは同社などと共にエリア再生にも取り組む。

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unicoのファサード。1946年創業のヨネヤマ(創業地は川崎区小川町)は創業70周年を機に、1989年まで本社を置いていたビルを活用する複合施設プロジェクトに着手。隣接する倉庫も併せて段階的にリノベーション工事を進めている(写真:NENGO)
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左はunico Aの1階部分。右は全3棟から成るunico全体のフロア構成(写真・資料:NENGO)

 飲食店のほか、シェアオフィス、シェアハウスなどを計画し、同種の建築リノベーションに実績のあるオンデザインパートナーズ(横浜市中区)を設計に起用。またデジタル木工機器を備える建築工房を1階に誘致し、そのテナントであるVUILD design & management(VUILD)のデジタルファブリケーション(デジタル製造技術)による木製家具や建具を、前例のない規模で改修工事に採用している。

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unico Aの3階、シェアオフィス「unico works」。右はブースオフィス部分(写真:日経アーキテクチュア)

 リノベーションの対象としたのは、かつて食品包材工場などに使っていた建物。通り沿いに並ぶ地上4階建ての旧ヨネヤマ本社ビル旧館、地上5階建ての同・新館、および倉庫の3棟で、合わせると延べ面積2500m2を超える。旧倉庫は、バスケットボールを中心に多目的利用できる「unico court」として16年6月に既に開業している。

 unicoの立地する日進町はJR川崎駅の南側のエリア。いわゆるドヤ街と高層マンションが並存し、駅周辺の中ではイメージが良いといえない場所とされる。また、ラゾーナ川崎プラザ(2006年開業)のある北側と比較し、街の活力も奪われていた。

 ヨネヤマ、NENGOの両社は、企業グループの歴史を刻んできたビルを取り壊さず、賃貸借による情報発信拠点とする計画を選択。「人と人、街と人の間に“化学反応”の起こる場とする」というコンセプトを掲げ、テナント候補を「クリエイター、アーティスト、ベンチャー、アスリート、アクティヴィスト」と設定してNENGOがリーシングを進めてきた。またビル内に常駐の部屋を確保し、ヨネヤマの社内部門が自ら運営する体制としている。

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JR川崎駅から徒歩数分。川崎市は2016年3月、改訂版の「川崎駅周辺総合整備計画」を発表。「既存ストックを活用したにぎわいの創出」を、まちづくりの手段として重視する方針。17年2月には「第1回リノベーションスクール@川崎」を開催し、日進町エリアにある物件も事業提案の対象としている。また「リノベーションまちづくり検討会」を立ち上げ、これには市内各所のまちづくりにコミットするNENGOの的場敏行代表取締役社長なども参画。また同社は、日進町エリアにある簡易宿所の再生プロジェクトも進めている(写真:日経アーキテクチュア)

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