国土交通省は、消費者が安心して購入できる既存住宅に対するブランド制度「安心R住宅」を新設する方針を明らかにした。3月中にパブリックコメントを実施したうえで、今夏をめどに告示化し、運用を開始する予定だ。新制度を足掛かりに、既存住宅流通市場のさらなる活性化を図る。

 2月28日に国土交通省が開催した、第3回「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」で制度案を示した。

2月28日に国土交通省が開催した、第3回「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」の様子(写真:谷内 信彦)
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耐震性や情報開示の要件を設定

 新制度の案では、多くの消費者が中古住宅に対して抱いている「不安」「汚い」「分からない」といったイメージを払拭した住宅を、消費者が安心して購入するための基礎的な要件を備えた既存住宅(新しいイメージの既存住宅)として認めることがベースとなっている。

 この要件を満たした既存住宅に対し、新たに作成する商標を付与し、安心R住宅として仲介できるようにする。制度利用のためには事業団体への登録が必要で、運用する事業団体は一般社団法人などを想定している。

新制度(案)の仕組み(資料:国土交通省)
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 新しいイメージの既存住宅として認められる要件は、多岐にわたる。例えば、「不安の払拭」を行うために、耐震性があることを示したり、建物状況調査(インスペクション)などを実施して、構造上の不具合や雨水の侵入がないことを明らかにしたりする必要がある。買い主や不動産事業者が希望すれば、新たなインスペクションなしに中古住宅売買瑕疵保険にも加入できることも要件として求める方針だ。

 基礎や構造部といったスケルトンや、屋根や外壁などの外皮性能など、目視では確認しづらい部位の性能が担保されることで、とりわけ戸建て住宅の不安解消に寄与していくだろう。

 「汚いイメージの払拭」は、売り主が現状のコンディションのまま売却するようなケースにおいて、住宅の内装や設備機器について原則的な取り替え時期などを示したり、リフォームした場合の参考価格などを提示する。現状の内装や設備を生かす場合と、リフォームなどで刷新する場合の両者についての情報が示されることになる。また、外装や主たる内装、水まわりの現況写真なども提供することとしている。

 「分からないイメージの払拭」については、(1)新築時の情報、(2)維持管理の履歴情報、(3)保険・保証に関する情報、(4)省エネ情報、(5)マンション共用部の管理情報について事前に情報収集を行い、それらの書類や資料、情報類の有無を開示する。消費者が購入やリフォーム時に必要と考えられる情報の有無が確認でき、求めれば詳細情報の開示にまでつなげていくとしている。

新しいイメージの既存住宅の要件(資料:国土交通省)
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