人手不足とインターネット通販の市場拡大で宅配事業者の輸送能力が限界に近づくなか、戸建て住宅に宅配ボックスを設置する取り組みが活発になっている。不在による再配達など、宅配の無駄を削減する狙いだ。宅配ボックスは、物流合理化の一助となるか――。宅配ボックスをめぐる最新の動向を2回シリーズで解説する。第2回は、パナソニックが実施した実証実験の成果を中心に報告する。


 パナソニックは、戸建て向け宅配ボックスの認知度アップのため、2016年11月から福井県あわら市で共働き106世帯を対象に実証実験を開始した。2月24日に公表した中間報告では、設置前の10月は総配達数583回で再配達率は49%だったが、設置後の12月は総配達数761回のうち直接受け取り53%、宅配ボックス利用39%で、再配達率は8%という結果となった。

 宅配ボックスが利用されずに再配達となった57回の原因を調べると「宅配事業者がボックスに入れてくれなかった」28%、「ボックスがいっぱいだった」24%、「冷蔵・冷凍」24%、「大きすぎて入らなかった」10%という結果。実証実験に協力した日本郵便、ヤマト運輸以外の宅配事業者が宅配ボックスが設置されていることに気が付かなかった可能性もあり、認知度が高まれば再配達率がさらに下がる可能性がある。

 実証実験に用いたのは、2016年4月に戸建て用として発売した宅配ボックス「コンボ」。ボタンで簡単に扉が開いて宅配事業者が荷物を入れられるタイプで、本体価格は5万9500~8万8500円。

パナソニックが共働き世帯を対象に実施した実証実験。戸建て住宅の玄関先に宅配ボックスを設置した(写真:パナソニック)
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パナソニックが共働き世帯を対象に実施した実証実験。戸建て住宅の玄関先に設置したミドルタイプの宅配ボックス(写真:パナソニック)
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パナソニックが共働き世帯を対象に実施した実証実験。戸建て住宅の玄関先に設置したコンパクトタイプの宅配ボックス(写真:パナソニック)
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パナソニックが共働き世帯を対象に実施した実証実験の結果。再配達が49%から8%に激減した(資料:パナソニックの資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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