国土交通省は2017年12月25日、既存住宅の流通促進に寄与する事業者団体の登録制度(安心R住宅)の事業者団体として、大手住宅会社10社で構成する優良ストック住宅推進協議会を初めて登録した。安心R住宅とは、一定の基準を満たした既存住宅に対して、国の制度に登録した事業者団体が標章(ロゴマーク)を与える仕組み。優良ストック住宅推進協議会は、既存戸建て住宅の流通を促進するサービス「スムストック」を10年前から運営してきた。安心R住宅の第1号登録団体となったことは、今後の事業展開にどのように影響するのか。島津明良事務局長に聞いた。

優良ストック住宅推進協議会の島津明良事務局長。国土交通省が推進する「安心R住宅」の初の登録事業団体に選ばれたことについて、「既存住宅流通の新しい制度として、安心R住宅を先導していく」と語る(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

スムストックが「安心R住宅」の登録されたことについて、事業にはどのような影響があるか。

 優良ストック住宅推進協議会が「安心R住宅」の第1号事業者団体として選ばれたことは、スムストックの制度を評価してもらえたからだと考えている。既存住宅流通の新しい制度として、これからは安心R住宅を先導していくという意識で仕組みの運用をしたい。

 安心R住宅は、新耐震基準の耐震性があり、インスペクション(建物状況調査など)によって瑕疵保険が掛けられる物件が該当する。この条件はもともとスムストックの認定要件でもあり、瑕疵保険については17年から協議会としてスムストック専用のものを導入している。

(関連記事:大手住宅会社が仲介に瑕疵保険を無償で付け補償

 そのため、スムストックは安心R住宅の必要要件に特に追加することなく事業ができる。安心R住宅には「リフォームなどの情報提供」という条件も付いている。既存住宅は購入時に併せて改修する方も多く、この条件はある意味当然とも言える。

 協議会に加盟する10社の住宅会社はそれぞれが既存住宅の履歴を保有している。顧客の要望に応じて迅速にリフォームの見積もりが出せる。早い段階での対応が可能な仕組みづくりにも過去10年で工夫を重ねてきた。

「安心R住宅」の概要。1981年6月以降の新耐震基準に適合しており、インスペクション(建物状況調査など)を実施し、既存住宅売買瑕疵保険を締結できる既存住宅に対して安心R住宅の標章が付与される(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

安心R住宅の仕組みを導入することで、既存住宅市場の活性化を促せるか。

 既存住宅には「情報開示」がない場合が多い。また、買い手もどのような情報を見るべきなのか知識がないこともある。だからこそ、安心R住宅の仕組みが拡大することで、図書類を開示するような商習慣が根付けばいいと考えている。そうした仕組みによって既存住宅がふるいに掛けられ、購入者が安心して買いたくなるような既存住宅を増やすことが市場の醸成にとって重要だ。

ここからは有料会員の登録が必要です。