静岡県浜松市で設計事務所リージョン・スタディーズを営む白坂隆之介代表は、ユニークな手法による空き家再生プロジェクトに取り組んでいる。その第1号物件で昨年12月までに主要部分の改修工事が終わり、一部の残工事もこの1月中にほぼ完了した。

中央左手でシルバーの住宅が改修後の「がんばり坂の家」。築60年弱の木造平屋をスケルトンリフォームした。外壁や屋根は、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板で仕上げている(写真:リージョン・スタディーズ)
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 この取り組みの名称は「ヤドカリプロジェクト」。まず白坂代表自身が一戸建ての空き家を取得し、スケルトンリフォームを実施する。自費を投じて、国が定める長期優良住宅(増築・改築)の性能項目を満たすスペックで改修したうえで、自らが一定期間居住。そのうえで、性能向上分を加味して取得価格と改修費の合計額を上回る価格での転売を目指す。「わらしべ長者」の物語を思わせるビジネススキームだ。

「がんばり坂の家」の玄関付近。建物右端付近に見える半透明の白い引き戸が玄関。引き戸はポリエステル断熱材と防水フィルム、半透明ポリカーボネイト板を重ね合わせてつくっている。開口部の断熱性能を確保するとともに、一定の透過性も期待した(写真:リージョン・スタディーズ)
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 「長期優良住宅の認定基準を満たした性能に加えて、設計者自身が住んで信頼性を担保すること」。これが、白坂代表が考える一般的な戸建て住宅のリフォーム再販との差別化ポイントだ。住宅設計の営業上、格好のモデルルームにもなる。「改修後に1年程度住む前提で、改修と転売を繰り返していく」と白坂代表は説明する。

改修後の室内から南側の敷地を見る(写真:リージョン・スタディーズ)
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