現代アートのための展示空間と、企業の保養所が中庭を介して「村」のように連なる。村上隆氏、杉本博司氏らの作品を展示する2つのギャラリーをつなぐのは、焼きスギを張り分けて深い軒で囲んだ、現代の「和」を感じる空間だ。

焼きスギを小端立て(こばだて)にして仕上げた美術館北側のファサード。隣地の中央児童公園との間を走る里道に面して湧水利用の水盤を設けた。右側のエントランスに設置された「COMICO ART MUSEUM」のロゴは原研哉氏のデザイン(写真:イクマ サトシ)
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 全国第2位の源泉数、湧出量を誇る温泉地である大分県由布市の湯布院に、「COMICO ART MUSEUM YUFUIN(コミコ アート ミュージアム ユフイン)」が誕生。村上隆氏や杉本博司氏など、世界的に知られる現代アートの美術館として2017年10月から一般公開を開始した。現在は事前申し込み制を取っている。

 発注者はインターネットサービスを手掛けるNHN JAPAN(東京都港区)。同社の保養施設「COMICO ART HOUSE YUFUIN(コミコ アート ハウス ユフイン)」を併設する。「社員がパソコンに向かう日常から離れ、温泉に浸ってのんびりできる環境を探していた。NHNグループが、拠点を置く韓国からも近い九州各地で土地を探し、『由布院美術館』(設計:象設計集団、2012年に閉館)があった敷地を買うことができた」と泉忠宏社長は説明する。

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