山本理顕設計工場のOBによるパートナー事務所の活躍が目立ってきた。例えば、3人が共同設立したサルハウスは、コンペ・プロポーザルで上位入選の常連だ。コンペ案を1人で考えない、提出直前まで考え抜く。こうした“不文律”を実践する。

(写真:日経アーキテクチュア)
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(写真左手から)安原幹氏、栃澤麻利氏、日野雅司氏
ともにサルハウス共同代表
やすはらもとき:1972年生まれ。98年東京大学大学院修了
ひのまさし:1973年生まれ。98年東京大学大学院修了
とちざわまり:1974年生まれ。99年東京理科大学大学院修了
それぞれ山本理顕設計工場に98~2007年、98~2005年、99~2006年に在籍。ともに08年SALHAUS共同設立、09年株式会社SALHAUS代表

 「ここ数年、コンペ・プロポーザルで最終審査に進む機会が増えた」と、サルハウスの安原幹共同代表は言う。2016年には3回、2次審査に進み、岩手県住田町のプロポを取った〔図1〕。共同代表の3人は山本理顕設計工場でともに働いた後、08年にサルハウスを設立。翌年に「群馬県農業技術センター」(13年)のプロポで最優秀となった。住田町は3回目の勝利となる。

〔図1〕大型の純木造に初挑戦
岩手県住田町の大船渡消防署住田分署のイメージパース。2016年の公募型プロポで最優秀に選ばれた。貫式ラーメン構造を用いた大型の純木造建築に挑んだ。18年3月に竣工予定(資料:サルハウス)
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 コンペ・プロポに参加する際、現地説明会にできる限り3人で参加する。「山本理顕さんには、1人で敷地を見に行ってはダメだと怒られた。どんなに忙しくても3人で行かないと、強い案はできない」と安原共同代表。

 構造設計者とも意見を戦わせる。「構造家の佐藤淳さんには、模型を必ず見せてアイデアを出し合う。その際、皆が『いけるじゃん』と思う瞬間がある」(栃澤麻利共同代表)

 山本事務所時代、安原共同代表は、延べ5万m2を超える埼玉県立大学の監理を担当した。「関係者が膨大だった。誰の意見でも吸収できるような強い設計案をつくらないといい建築はできないと認識した」

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