規制改革に伴い、建築基準法の用途規制が徐々に緩和されている。今号では特区民泊施設のほか、2015年以降に動きがあった貸し別荘や老人福祉センターその他これらに類するものについて解説する。

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 外国人観光客の増大を目指した規制改革のテーマの1つになっている「民泊」。その適用範囲を広げるために今国会では、民泊新法が審議予定だ。これよりも一足早い2016年10月31日には、国家戦略特別区域(特区)法で特区民泊の緩和事項が施行された。特区民泊とは、同法に基づき特区内で経営する外国人滞在施設を指し、旅館業法の許可対象から除外される。

 旅館業法では、1カ月以上の単位期間で宿泊料を設定した「下宿」と、最短で1泊の利用が可能な「旅館、ホテル、簡易宿所」の分類がある。

 これに対し、14年3月に公布された戦略特区法施行令では、自治体の条例で特区民泊の滞在日数の下限を定められるようにしている。従来は滞在日数の下限を7日から10日の間としていたが、16年10月の改正で3日まで引き下げた〔図1〕。

〔図1〕短期宿泊用の民泊が住居専用地域にも
特区民泊とは国家戦略特別区域法に規定された「特区滞在事業※」に使用する施設(特区滞在施設) ※正式名称は国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業。特区内で行う
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 特区民泊とみなされると、建築基準法上の用途は「ホテル・旅館」ではなく、「住宅」になる。そのため特区民泊は、従来は認められていなかった住居専用地域(第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域)と工業地域にも立地できる。なお、住居専用地域で特区民泊として認められるには、実施地域の設定や事業の実施に際し、周辺住民に周知して理解を得ることなどが前提となる。

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