リーマンショック前、大規模な都市開発で世界を驚かせた中東の都市ドバイ。バブル崩壊後は一転、緑化の規制や環境性能評価制度の導入など、環境重視にかじを切り始めた。政府などは環境建築を民間に訴求するために、万博や環境住宅の国際大会を生かす考えだ。

 オイルマネーの追い風に乗って中東に突如現れた近未来都市。金持ちしか住めない、ぜいを尽くした豪華絢爛(けんらん)な街──。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに、そんなイメージを抱く人はまだ少なくないだろう。

 経済力を駆使して、やしの木を模した人工島をつくり、ベニスのような運河を掘る。海岸線すら書き変えて環境破壊を重ねているという批判を受けていたドバイでは、リーマンショックに端を発したバブル景気の崩壊以降、サステナビリティーに対する国の関心が高まってきた。近年はその勢いが増している。

 そうした機運を高めているのが官の取り組みだ。ドバイ市役所が2016年に発行した「サステナブルドバイ」と呼ぶパンフレットは、その一端を示す〔図1〕。

〔図1〕巨大開発から環境重視へ
ドバイ市役所が2016年に発行したパンフレット。サステナビリティーに関する取り組みを紹介している。リーマンショック前に、大規模開発を重ねていたドバイは、環境配慮型の都市への変貌を目指している(資料:ドバイ市)
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 このパンフレットでは、同年に市が制定し、運用を開始した独自の建物環境性能評価システム「Al SA’FAT(アル・サファ)」を紹介している〔図2〕。米国発の環境性能評価システムLEEDにならい、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの格付けで建物を評価する取り組みだ。

〔図2〕環境性能の評価制度も構築
ドバイ市は建物環境性能評価システム「Al SA’FAT(アル・サファ)」を独自に定めた。図1のパンフレットにも示している(資料:ドバイ市)
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 この評価システムで高い格付けの認証を受けると、ドバイのシェイク・ムハンマド首長から直々に認定証を受け取れる。これは、地元では大変な名誉となる。

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