構造計画の工夫で窓を大きくするのではなく、耐震壁そのものが透明だったらどのような空間になるだろうか──。そのヒントが、「早稲田鶴巻町Iビル」(東京都新宿区)にある。吹き抜け空間の上階に、ガラスを組み合わせた“ステンドグラス構造”を採用した〔写真1〕。

〔写真1〕耐震性能を持たせたステンドグラスの壁
建物の4、5階の吹き抜けに面して設けた耐震性能を持つステンドグラス構造の壁。外側の窓のメンテナンス用と、通気用に、開閉できる窓を2カ所用意した。開閉できる窓の部分は構造要素から除いて計算した。写真は窓を2カ所とも開けた状態(写真:安川 千秋)
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 建物は1~3階を事務所、4、5階をオーナー住戸で構成する併用住宅。2015年11月に完成した。敷地面積は55.93m2で間口が約3mと細長く、居室面積をできるだけ広く確保するために2.5mスパンの鉄骨ラーメン構造とした〔図1、写真2〕。

〔図1〕南北に細長い鉄骨ラーメン構造
断面図 細長い敷地で居室面積を広く確保するため、鉄骨ラーメン構造を採用。図の左が南方向で、4、5階に吹き抜け、5階にステンドグラスの壁を設けた(資料:インテルメディア・デザインスタジオ)
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〔写真2〕間口は約3m
敷地北側には早稲田大学に続くケヤキの並木道があり、2~5階の開口を大きくとっている(写真:安川 千秋)
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 4、5階のオーナー住宅はメゾネットで、南側の窓に面して2層吹き抜けを設けている。そして5階の個室と吹き抜けを仕切る部分に、縦2226mm、横2160mmのステンドグラス構造の壁をはめ、耐震性を高めた。

4階平面図(資料:インテルメディア・デザインスタジオ)
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5階平面図(資料:インテルメディア・デザインスタジオ)
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