(イラスト:高松 啓二)
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 6月号の本連載を読んだ読者から、次のようなご質問を頂いた。

 「トラブルが起こった中古住宅で、『瑕疵担保責任を免責とした』と書かれていたが、これは売り主の仲介業者の判断で免責にしたのか。そもそも、築何年以上の住宅で免責にできるのか。また、免責とした住宅は買い手の心配を増幅させるから、たたき売り同然にならないか」

 どれも、もっともな疑問だと思う。今号は、これらのご質問になるべく分かりやすくお答えしたい。

築20年超では免責が多い

 6月号のテーマは「不動産会社の調査責任」だった。住宅を瑕疵担保責任の免責という形で買い主が購入したところ、外壁の破損を見つけて慌てて不動産会社に連絡した。ところが、「瑕疵担保責任は免責だから、当社に責任はない」と言われた。この言い分は正しいかという内容だ。

 答えは「誤り」だ。売り主と買い主の間における瑕疵担保責任の免責は確かに有効なのだが、仲介会社である不動産会社には善管注意義務があり、買い主に対する調査責任を負うからだ。

 冒頭で紹介した読者は、調査責任ではなく、この話の中で出てきた「瑕疵担保責任免責」(以下、免責)に興味を持たれたようだ。

 まず、誰が免責を判断するかだ。6月号のケースは売り主と仲介業者が協議したうえで決定した。外壁の破損があるので、売り主が責任を負うと補修費用の負担が大きくなるし、仲介業者も引き渡し後のトラブルを避けたいと考えたのだろう。

 一般的には、仲介業者が免責を主導するケースが多い。特に建物の知識がない担当者だと、今後どの程度の期間にわたって建物を使えるのか判断するのが難しい。そのため、築年数が長いものほど、免責にしたがる傾向が強い。

 木造住宅では、築20年を経過すると土地に付属する古家扱い、もしくは免責とすることが一般には多いようだ。もちろん、建設時の施工品質や完成後のメンテナンスによって、同じ築20年でも大きな差が出る。

 筆者の経験では、築20年以上でも半数以上はさほど問題がないようだ。そこで、なるべくインスペクション(建物診断)を実施し、建物が問題なく使える否かを判断している。

 なお、鉄骨造と鉄筋コンクリート造では、築年数はあまり影響しないようだ(居住用物件のみ)。筆者の感覚では、築年数よりも建物のメンテンナンスの状態によって、免責とするかどうかを決めることが多いと思う。

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