(イラスト:柏原昇店)
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 A工務店は社員2人の会社。新たに経験者のB氏を社員に採用して、今までC社長が担当していた営業やプレゼンテーションの業務を、ある程度任せることにした。

 B氏が担当した顧客のD氏の現場でのことだ。雨が続き工程が遅れてしまった。B氏は挽回を試みたが、カーポートなどの外構工事が1週間ほど遅れる見込みとなった。

 このままでは、D氏が仮住まいから引っ越す日程を変更せざるを得なくなる。運悪く月をまたぐタイミングだったので、変更すると1カ月分の家賃が追加で発生する。そのうえ、賃貸契約の更新時期にも重なるため、更新料としてさらに1カ月分を上乗せしなければならない。この状況に、D氏は「突貫で工期内に収めるか、2カ月分の家賃を補償しろ」とB氏に迫った。

 突貫工事は無理な話だ。だが、30万円を超える家賃の補償も難しい。B氏は外構工事中の引っ越しを考えたが、あいにく、玄関に隣接したカーポートのコンクリートが固まるまでは、玄関から荷物を運び込めない。

 もめ事に発展しそうな雰囲気を察知したC社長は、担当のB氏を飛び越えてD氏に直接提案した。「掃き出し窓にデッキを設ければ、外構が工事中でも引っ越しできる。デッキ材は無料にするからどうか納得してほしい。ただ、大工の手間は見てください」。D氏に不満は残ったが、「無料なら…」と了承した。

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