ペット仕様の住宅を建設したり改修したりする場合に、悩ましいのが床材や壁材の選択だ〔図1〕。

〔図1〕ペットが行動すれば汚れや傷が
(資料:日経ホームビルダー)
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ペットによる傷や汚れのイメージ。床材の素材やコーティングの有無によっては、排せつによる変色や変質、爪による傷などが生じるものがある(資料:日経ホームビルダー)
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 建て主は、ペットの爪による傷や排せつなどによる汚れに強いもの、メンテナンスが楽なものを好む。一方、ペットの立場から見れば、活動しやすく、健康への影響が少ないものが望ましい。

 愛犬家や愛猫家の住宅を数多く設計してきた前田敦計画工房の前田敦代表によれば、多くの愛犬家の建て主は、特に床の滑り具合に気を使う。グリップが効き過ぎると関節を痛めるなど、犬の足にダメージを与えるからだ。「適度なグリップとわずかに滑る”遊び”の兼ね合い。その微妙なバランスが難しい」と前田代表は説明する。

 床に残る爪痕も飼い主を悩ませる。犬の活動状況に応じて変わるものの、中型犬以上になるとフローリングに爪が刺さりやすくなる。その結果、ささくれた状態になったり、犬の「通り道」にわだちのような傷が生じたりすることがあるのだ。

 こうした点を踏まえて、前田代表は床材の種類を犬の体格に合わせて使い分けている。

 例えば、小型犬ではフローリングの表面に滑り止めのコーティングを塗布する。十分なグリップ力と適度な滑りが得られるだけでなく、排せつ物なども染み込みにくくなる。このほか、傾斜がある場所など、強いグリップ力が要る所では、タイルカーペットも使える。こちらは汚れても部分的に剥がして洗える。

 中型犬や大型犬の場合は、コーティングだけでは傷を抑えることが難しい。そのため、前田代表は床タイルの採用を勧める〔図2〕。

〔図2〕傷や汚れを考慮した床材はペットの種類によって異なる
◎は「より耐性あり」、○は「耐性あり」、△は「やや耐性あり」、×は「ほとんど耐性なし」。いずれの評価も目安(資料:取材に基づき日経ホームビルダーが作成)
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