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築5年の店舗併用住宅で、大量の雨漏りが発生した。外装材に十分な防水性能がなかったうえ、外壁下端部に水切りがなく、浸入した雨水を排出するルートを確保していなかった。(日経ホームビルダー)

 ここでは、築5年の鉄骨造の店舗併用住宅で起こった雨漏り事故を取り上げる。1階は磁器質タイル張り、2階は意匠性塗装仕上げで大変見栄えのする外観だった。しかし、完成後わずか5年で、建て主の営業(飲食店)に支障が出るほどの雨漏りが発生した。

 原因調査と改修工事を依頼された筆者が、外壁側から散水試験を実施したところ、室内3カ所で雨漏りが発生。特に激しかったのは、1階室内側の基礎天端付近だった〔写真1〕。

〔写真1、図1〕外壁下端部に水切りがなく雨水が室内に
(写真:第一浜名建装)
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外観は見栄えのするデザインだが、築5年で大量の雨漏りが発生した。特に、室内側の基礎天端付近がひどかった。この建物では、外壁下端部に水切りがなく、浸入した雨水を排出できない構造になっていた(資料:第一浜名建装)
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 調査の結果、室内への雨水浸入を許した理由は大きく2つあると分かった。1つは、外壁面が1次防水の機能を果たしていなかったことだ。外壁材には所々に直径数ミリメートル程度の穴が開いていたし、サッシ周辺には雨水の浸入痕があった。

 もう1つは、外壁下端部に水切りを設けていなかったことだ〔図1〕。たとえ雨水が1次防水面(外壁やサッシ)を突破しても、外部に速やかに排出するルートがあれば、室内での雨漏りは起こりにくい。この建物では、どちらも不十分だったから大量の雨漏りが発生したのだ。