ロボットやAI(人工知能)などの技術革新によって、これまで当たり前にあった仕事が突然なくなってしまう──。そんな未来予測的な話題が世間をにぎわす時代になってきました。仕事の3割はロボットに置き換えられるとか、5割はAIで代替できるといった類の話です。もちろん、建築や土木の仕事も無縁ではありません。

 ただ、建築や土木の分野は、ロボットやAIに仕事を奪われるというよりむしろ、ロボットやAIを積極的に活用していかなければ仕事自体が成り立たなくなるということでしょう。国内では100万人規模の高齢技能者が今後10年で離職するとみられているからです。

 もちろん、建築や土木の仕事がなくなるわけでもありません。建築や土木は将来も、ハード・ソフトの両面から人々の暮らしや経済活動を支えるベースであり続けるに違いありません。

 建築や土木はいま、いろんな意味で大きな転換期を迎えています。高度経済成長期につくられ陳腐化したり老朽化したりしたものは、更新や改修によって次代の求める機能につくり変えていかなければなりません。人口減少を踏まえて統廃合を進めるべき公共施設もあるでしょう。超高齢社会への対応、環境負荷の軽減、防災、国際化、生産性向上なども、ますます重要になります。新しくつくるにしても、ストックを生かすにしても、国土や都市を改造するにしても、次代を見据えた新しい考え方が求められています。建築や土木の世界は、若い人たちの発想や行動力を必要としているのです。

 建築の総合情報誌「日経アーキテクチュア」と土木の総合情報誌「日経コンストラクション」は、普段はそれぞれの分野の実務者向けに専門情報を提供しています。この「学生向け特別版」は、編集部が収集した情報のなかから、新社会人となる皆さんに役立つ情報を選んでお届けするものです。この冊子が社会に飛び出す皆さんにとって、自分の進路を考える一助となることを願っています。

畠中 克弘=日経BP社建設メディア発行人

出典:8
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。