欧米に比べ、平均寿命が短いといわれている日本の戸建て住宅。欧米の基準と比較すると様々な部分が異なるのが現状だ。例えば、住宅の断熱性能や省エネルギー性能といったものだ。

 もちろん国も対策を立て、住宅の優良ストック化を進めようとしている。断熱性能については、建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)がその1つだ。国は2015年に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」を制定し、16年4月から段階的に施行。義務化を進めている。現在は非住宅などの建築物が対象だが、20年には新築の戸建て住宅でも省エネ基準を義務化する方針だ。

 省エネルギー化への取り組みとしては、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)がある。補助事業やZEHビルダー登録制度などを創設し、住宅性能の向上を図っている。20年までに標準的な新築住宅で、さらに、30年までには新築住宅の平均でZEHとする目標を立てている。

 だが、これらの取り組みは新築の住宅が中心。既存の住宅での取り組みは少なく、そのノウハウもまだ蓄積されていない状態だ。

 そこで、この連載では、建物のリノベーション事業を手掛けるリビタの事例を基に、既存住宅を高断熱化、省エネルギー化するための課題やポイントを探る。

 既存の住宅をエコな住宅に変身させるために必要なものは何か――。プランづくりや設計、施工など、数回にわたって紹介する。第1回は、リビタがどのような考え方で既存住宅のZEH化に挑んだのかを見ていこう。

リビタは、築30年の戸建て住宅をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に改修(写真:リビタ)
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