断熱性能を高めた住宅が増える一方で、ちょっとした設計施工のミスや暮らし方の不注意による結露トラブルが増えつつある。住宅会社に高断熱住宅の指導を行い、結露トラブルの相談や調査にも応じる住まい環境プランニング(岩手県滝沢市)に、トラブル事例と設計施工上の注意点を解説してもらう。第1回のテーマは基礎断熱における床下での冬型結露対策だ。

上側の写真は基礎と土台の取り合い部分に貼った黒い気密テープが結露している様子。下側の写真は黒い気密テープを貼っていた基礎断熱の床下。住宅会社は建て主から床下がかび臭いと言われたため、床に丸い換気口を開けたり、気密テープを貼ったりしたが解決せず、住まい環境プランニングに調査を依頼した(写真:住まい環境プランニング)
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 上の事例1の写真は、高断熱高気密仕様で東北地方の寒冷地に建てた、築1年未満の住宅だ。基礎の立ち上がりと耐圧板の一部に断熱材を張った基礎断熱を採用している。床下がかび臭いという相談を受けて、2011年11月末に調査した。

 臭いが特にきついという和室の床下に入ると、基礎と土台が接する室内側の部分に貼られていた気密テープの表面に水滴が付いていた。

 この水滴が結露なのかを判断する方法の1つとして、住まい環境プランニングでは建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が発行する「結露防止ガイドブック」を利用した。 事例1の外皮の仕様と、現地で測定した床下の平均温湿度15.3℃、55.6%、ガイドブックの内部結露判定用の外気温湿度を条件として計算すると、露点温度は6.48℃になる。寒さの厳しいこの地域では、外気の影響でテープの表面温度は5.8℃を下回る計算になるので、結露に至る可能性が高いことが分かった(下の表参照)。

左の表の値のほかに外気の相対湿度を72%(東北地方のA県地方気象台が観測した11月の平均値)、床下内部の相対湿度を55.6%(現地での実測値)として、気密テープの露点温度を計算して結露の有無を判定した
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