築8年の木造住宅で、室内壁の一部に小さな雨漏りのシミが現れた。不安を抱いた住まい手から修繕を頼まれたリフォーム会社は、シミが生じた箇所周辺で内外装材をはがして、異常な光景を目にした。壁内の柱や胴差、サッシまわりなどの木材が、ことごとく腐食しており、シロアリの被害も進んでいた。このような場合、どう対処すべきなのだろうか。

(写真:住宅検査保証協会)
[画像のクリックで拡大表示]
(写真:住宅検査保証協会)
[画像のクリックで拡大表示]

躯体全体も徹底的に調べる

 住まい手から相談をうけた住宅調査会社、住宅検査保証協会(東京都墨田区)が、本格的にこの住宅の調査に乗り出したのは2007年秋だった。同社の担当者は、雨漏りの発生箇所周辺だけでなく、建物全体を調査した。

 「外壁材をすべて撤去して構造用合板をはがしてみると、広い範囲で、躯体の腐食と蟻害が確認できた」と、同社社長の大場喜和さんは言う。

 調査の結果、下にある一連の写真のように、構造用合板や土台、柱などの構造材のほか、サッシまわりの木部も激しく腐食していた。2階の胴差の一部では、ひと抱えもある巨大なイエシロアリの巣も見つかった。

発覚した被害(写真:住宅検査保証協会)
[画像のクリックで拡大表示]

 この住宅は1999年の完成で、構造は2×4工法。1990年代後半に人気のあった輸入住宅で、当時はまだ珍しかった高気密高断熱仕様で建てられていた。

 わずか築8年で激しく劣化した元々の原因は、雨漏りだった。

 「施工時に複数のミスが重なり、それが壁体内への漏水を招いたとみている」(大場さん)

 特にミスの重なりが顕著だったのは、屋根の雨仕舞いと、サッシまわりの防水施工だった。

 屋根では、取り合い部の板金の立ち上がりの一部に施工し忘れた箇所があり、そこから雨水が外装材の裏側へと浸入していた。

 仮に外装材の裏側に雨水が入っても、その内側に正しい防水施工が施されていれば、通常は壁内への浸入を食い止められる。ところがこの住宅では、サッシ枠の周囲などで、防水シートや防水テープの上下の重ね方を誤って施工していた。上方から伝って流れ落ちてくる雨水が、シートやテープの継ぎ目から壁内に浸入してしまう張り方で施工されていた。

ここからは有料会員の登録が必要です。