建物利用者の健康に焦点を当てた新しい認証制度、WELL(ウェル)認証への関心が世界各国で高まっている。日本では政府が「働き方改革」に本腰を入れる姿勢を示し、企業も「健康経営」に取り組む動きが活発化している。こうしたトレンドを追い風に日本でも普及なるか、概要を紹介したい。

WELL認証の取得を申請しているアラップのコーク事務所。様々なスタイルの席を用意して、好きな場所で作業をするのは、ワークプレイスのデザインとしては一般的になってきている(写真:Arup Cork Office, One Albert Quay, Cork, Ireland ⓒf22 Photography)
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 先進国の多くで少子化問題を抱え、高齢化する社会では労働人口の減少が社会問題になっている。また、成人病はもとより、心の病を抱える人も増えており、労働生産性が低下するなど、労働や経営を取り巻く環境は楽観視できない。

世界的に見ると、高齢化が進み、労働人口の割合が減っている。優秀な人材を流出させない試みが必要だ(資料:Arup Associates、出典:McKinsey,2012)
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 建築を生業としている我々の業務とは一見、関係の薄いことのように思えるかもしれないが、この「健康」を建築に取り入れようという動きが世界では加速している。