ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏の遺作として世界の各地で建設中のプロジェクトは、まだ二十数カ所も残っているといわれる。その一つだったナポリ・アフラゴーラ鉄道駅は第1フェーズがほぼ完了し、昨年初夏に開業した。この駅を訪ねてみた。

駅舎の南端付近(写真:武藤 聖一)
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駅舎周辺にはバスターミナルやタクシー乗り場、1400台収容できる駐車場がある(写真:武藤 聖一)
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 首都ローマの南西に位置するフィミチーノ(Roma Termini)空港から電車でローマ・テルミノ(Roma Termini)駅まで出て、そこから高速列車で1時間の道程だ。ナポリ・アフラゴーラ駅に到着した時点で既に日は沈み、降りた乗客が去った後は人影もほとんどない。駅周辺には建物の明かりも見当たらず、まるで日本の新幹線で乗降客が少ない各駅停車駅に降り立ったかのような印象だった。

線路を挟んで東側の広場から見た駅舎のエントランス。橋上形式の駅舎で鉄筋コンクリートの台座に支えられている。東側広場にはバスターミナルやタクシー乗り場を集約している(写真:武藤 聖一)
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線路を挟んで西側から見た駅舎。駅舎西側には駐車場を集約しているサイドの遊歩道から見る駅舎(写真:武藤 聖一)
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 ナポリ・アフラゴーラ駅のプロジェクトはもともと、2003年のコンペでザハ・ハディド氏が提案したもの。当初は09年の竣工予定だったが、着工は何やかんやと15年までずれ込んだ。提案から完成まで、実に合計15年近くを費やしたプロジェクトになった。

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