「ひび割れ」と聞けば、建設系の技術者の多くはコンクリートを思い浮かべるのではないでしょうか。コンクリートの施工では当たり前とみなされている現象です。日本建築学会の「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」では、2つの観点からひび割れの基準値を設けています。

 1つは鉄筋の腐食リスクを考慮した基準値です。屋内側で幅0.5mm以下、屋外側で幅0.3mm以下のひび割れを許容すると規定しています。もう1つは漏水抵抗性の観点で規定されているものです。こちらについては、幅0.15mm以下を許容範囲としています。

 こうした基準の存在からも分かるとおり、いわゆるヘアクラックのような微細なひび割れについては、基準上は許容されているのです。技術者が「コンクリートにひび割れは付きもの」と考えるのは、おかしなことではありません。

 しかし、近年はコンクリートのひび割れに対して厳しい目が向けられるようになっています。戸建て住宅においても、基礎に生じたひび割れについて厳しく追及する居住者が現れています。技術的な説明を繰り返しても、納得してもらうことは容易ではないと感じている住宅実務者は少なくないでしょう。

 そんな実情を、日経ホームビルダー3月号の特集「ひび割れ許さん!クレーム0(ゼロ)作戦」で紹介しています。

日経ホームビルダー2018年3月号の特集「ひび割れ許さん!クレーム0(ゼロ)作戦」(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]

 近年、ヘアクラックも含めたひび割れ対策に取り組む住宅会社が目立ってきました。大手だけでなく、中小でも取り組みを始めるところが出てきています。特集ではそうした動きを詳しくお伝えするほか、最近になって分かってきた、骨材がひび割れに大きな影響を及ぼす事実を紹介。これまでのコンクリートの品質管理手法の限界を浮き彫りにすると同時に、コンクリート基礎のひび割れを抑制するための新しい取り組みなどをお伝えしています。

 今号に限らず、日経ホームビルダーではトラブルに関連した話題をなるべく多くご紹介したいと考えています。住宅品質を高め、消費者からの信頼を獲得していくことに大いに役立つと信じているからです。巻頭のニュースの深層「まきストーブで“伝導火災”が続発」は、まだほとんど報じられていないまきストーブの火災を取材。その実態を詳しく報告しました。

 次号の日経ホームビルダー4月号では、住宅設備にまつわるトラブル事例などを数多く紹介したいと考えています。そのためのアンケート調査を実施中です。どうぞ下記のアンケート調査にご協力いただけますと幸いです。

建材や設備にまつわるトラブル調査

日経ホームビルダー2018年3月号のニュースの深層「まきストーブで“伝導火災”が続発」で示した写真(写真:駿東伊豆消防本部)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、日経ホームビルダー3月号では、省エネ住宅に関連した興味深いトピックを2本の記事で取り上げています。1本目はリポート「温度から断熱手法を逆算」です。3月に建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が発行を予定している「改修版 自立循環型住宅への設計ガイドライン」のエッセンスを一足先にお伝えします。

 同ガイドラインでは、まずは住宅の改修を求める居住者の要望を満たすために必要な住宅部位の表面温度を提示。その温度を実現するために必要な断熱仕様例などを参照できるようになっています。ツールを使いこなせれば、建て主の温熱環境に対する改修前のイメージを一段と具現化しやすくなるかもしれません。

 省エネ住宅に関連したもう1本の記事は、ニュースの深層「『太陽光なし』の新ZEH誕生」です。2018年度から経済産業省が中心となって進めるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の支援策について、詳細を速報しました。敷地の制約によって都市部での実現が難しいZEHについて、簡易なZEH仕様の設定で解決しようとしている状況を具体的な要件案とともに紹介しています。

 日経ホームビルダー3月号の見どころを紹介するこの記事を掲載しているのは、2月13日に創刊したデジタル媒体「日経 xTECH(クロステック)」です。日経ホームビルダー購読者の方は、これまでに引き続き、日経ホームビルダーのHTML版の記事を本サイトを通じてご覧いただけます。

 日経 xTECHでは、従来の日経アーキテクチュア・ウェブで報じてきた建築・住宅分野の話題に加えて、住宅設備や住宅との連携が強まる電気自動車、IoT住宅といった分野の先端技術情報も数多くご紹介していきます。さらに、日経 xTECH有料会員にご登録いただければ、「日経アーキテクチュア」「日経コンストラクション」「日経コンピュータ」「日経ものづくり」といった9つの専門媒体のHTML版をご覧いただくことも可能になります。

 ぜひとも、本サイトのさまざまなページを開いてみてください。新しい知見が必ず見つかります。

出典:2018年3月
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。