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【MIPIM】依然高いアジアへの関心、日本からは隈研吾氏などが出席

2013/03/14

 厳しい経済状況を象徴するかのように長い冬が続く欧州。パリやロンドンは歴史的な大雪に見舞われ、飛行機の欠航が相次いで報じられた。だが同じ欧州にあっても、MIPIM(ミピム)の開催地、カンヌにはすでに早い春が訪れている。事前登録者は昨年を上回り、活気あるスタートを切った。今年の主賓国(Country of Honour)に選ばれたトルコからはイスタンブール市長が、また 大型の展示パビリオンを設けた英国からはロンドン市長が訪れ、シティセールスを行った。2014年に黒海沿岸のソチで冬季五輪を控えるロシアも、目白押しのイベントで大きなプレゼンスを印象づけた。

ロシア・クラスノダール地方の展示ブース。同地方にあるソチで、2014年に冬季五輪が開催される

 アジアからの参加は、日本、シンガポール、香港、インド、中国、韓国、台湾、タイなど企業数にして70社あまり。アジアをテーマにした初日のランチ・イベントには約200人が参加し、欧州投資家への同地域に対する高い関心をうかがわせた。ただし、昨年、一昨年と大規模な代表団をカンヌに送り込んだ中国・重慶市は、1年前の政治スキャンダルの影響か、今回は姿を見せなかった。韓国からの来場者も控え目な数で、東洋人の顔を見かけることは全般に少なくなったようだ。

 こうしたなか、日本は依然としてMIPIMのプログラムの上で大きな位置を占めている。初日火曜日の開幕を飾ったのは昨年同様、展示会場前のマジェスティックホテルで開催された公式朝食会だ。建造キャピタルのLeonard Meyer社長の司会の下、国土交通省土地・建設産業局の上田洋平総務課長と建築家の杉山久哉氏が、約100人の出席者の前で都心部の再開発プロジェクトや東日本震災後のサステナブル開発などのプレゼンテーションを行った。

日本がスポンサーとなった公式朝食会がMIPIMの開幕を飾った

 同日午後の「Japan Opportunities」と題したコンファレンスでは、ザイマックス不動産マーケティング研究所の中山義夫主任研究員が、回復基調の日本経済と堅調な不動産ビジネスの現状を紹介。ニューヨーク大学のLawrence Longua教授らとともに、東京における不動産運用の利点を説明した。

 また、何といっても会場の耳目を集めている日本人は建築家の隈研吾氏だ。東京のほかパリに事務所を構える同氏はここフランスでも有名人。水曜日午後のキーノートスピーチでは、木材などの自然素材を生かし、都市の歴史的な記憶を建築に昇華する同氏の手法を紹介。直後には、同氏が再開発プロジェクトを手がけるリヨン市の展示ブースでのプレゼンテーションを行った。翌木曜日には、建築における技術革新をテーマにしたパネルディスカッションへの出席が予定されている。

フランスでも名が知られる建築家、隈研吾氏が講演を行った

 展示会場では、ザイマックス、三菱商事系のダイヤモンド・リアルティ・マネジメント、そして今年初出展となった三井住友トラスト不動産投資顧問が共同でブースを設けた。

 三井住友トラスト不動産投資顧問の藤田剛取締役副社長は「仏AXA Real Estateと対日投資ファンドで業務提携していることもあり、海外での知名度を高める意図で出展した。デベロッパー系とは異なる、中立な銀行系のアセットマネジメント会社であることをアピールしている。先行投資と思って出展したが、十数件のアポイントがすでに入っているほか飛び込みの問い合わせもあり、元気づけられる」と語る。一方、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメントは、同社主催の小コンファレンスで、最大300億円規模をめざす物流施設ファンド「ドリーム・ロジスティクス・ファンドIII」を今後組成する意向を示した。海外投資家を対象にした資金募集を考えているという。

 数多くの会議プログラム、華やかなオープニングレセプションにライトアップ、初夏の気配さえ感じられる地中海性気候と、会場は楽観的なムードにあふれている。明るい開幕ではあるが、ユーロ危機を巡るドラマは今後も予断を許さない。14日木曜日の朝には、欧州中央銀行(ECB)委員を務めたエコノミストのJurgen Stark氏によるキーノートスピーチが予定されている。

多くの人であふれるMIPIM会場

篠田 香子=フリーライター日経不動産マーケット情報

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