計画の自由度などに影響を与えない多様な装置の開発が進む

免震構造を採用する建築物が増えている。オフィスビルではBCP(事業継続計画)に不可欠の機能として、また民間マンションでも資産を守る技術である点をアピールしている。様々な計画条件に対応できるよう、装置も進化を続けている。

臨海部で盛んなタワーマンション、タワーオフィスの建設も、免震に対するニーズを広げる理由となっている(写真:日経アーキテクチュア)

 国内最大級の免震構造を採用したオフィスビルが今年5月にグランドオープンする。NTT都市開発、大成建設、ヒューリック、東京都市開発が東京都港区港南に建設した「品川シーズンテラス」だ。地下1階・地上32階建て、延べ床面積は約20万6000m2に及ぶ。

品川シーズンテラス。現時点で、国内最大級の免震構造を採用したオフィスビルとなる。1600mm×1600mmの角型装置(右写真)を用いている(写真:左は日経アーキテクチュア、右はオイレス工業)

 同ビルの免震構造は、地震による揺れを減衰させる減衰機能付き積層ゴム支承、揺れを軽減する天然ゴム系積層ゴム支承、地震エネルギーを吸収するオイルダンパーで構成されている。東日本大震災などの際に観測され、今後の耐震対策の課題となっている長周期地震動にも対応する。

 免震装置(複数メーカー)は110基設置されている。このうち76基はオイレス工業が開発したLRB-S(角型鉛プラグ入り天然積層ゴム型免震装置)で、そのなかには、平面サイズが1600mm×1600mmで3700tの支持能力を持つ、現状で最大級の製品が28基含まれる。