札幌市を拠点とするビルダー、ケント・ハウスは、地元では営業部門を持たないユニークな工務店として知られ、在来工法で開放感のあるデザイン性の高い住宅を手掛けてきた。「胡桃の家」では大開口で開放的なデザインで低炭素住宅の認定取得に挑んだ。

 「胡桃の家」は、冬の寒さが厳しい北海道で、吹き抜けの大空間と中庭に面した大開口を持つ木造住宅だ。設計を担当したケント・ハウス建築プロデュース部課長の草野広宣氏は、同社が手掛ける住宅のコンセプトについて次のように語る。

 「Q値を上げるには開口部を小さくすれば簡単だ。しかし、住まい手の希望や暮らしの楽しみを犠牲にしてまで、必要以上の性能向上を目指すことはしない」

 現在「胡桃の家」には、草野氏が家族で暮らし、光熱費や温熱環境などのデータ収集を行っている。

 低炭素住宅の認定制度スタートに合わせ、開放的なデザインコンセプトを生かしながら自社の設計ノウハウで同基準をいかにクリアするか。「胡桃の家」はその実験住宅でもある。

中庭からキッチンを望む。「住宅性能を満たしながらどれだけ開口部を設けることができるかチャレンジした」(草野氏)という(写真:ケント・ハウス)

ファサード、エントランスまわり。ミニマルな構成主義的デザインがケント・ハウスの外観の特徴だ(写真:ケント・ハウス)