今年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、LPガスは石油とともに災害時のエネルギー供給の「最後の砦」と形容された。個人住宅にも備蓄可能で、災害時にも供給しやすいのが利点だ。このLPガスで発電することにより、停電に備える動きがある。

集合住宅
アネシス リアン(スターツCAM)

 2014年3月、江戸川区に竣工した賃貸マンション「アネシス リアン」は、スターツCAM(東京都中央区)が開発した「防災賃貸マンション」の第1号物件である。同社が従来から力を入れてきた免震構造のマンションに、岩谷産業のLPガス(液化石油ガス)による「災害対応型エネルギーシステム」を導入した。地震などで停電した際には敷地内にストックしているLPガスでガス発電機を作動させ、非常用電力とガスを確保する。

(写真:スターツコーポレーション)

大震災を機に防災技術を開発

 スターツCAMでは1995年の阪神大震災後から、免震構造の開発を進めてきた。一般的な免震構造より地下の掘削量を減らしてコストを落とせる「高床免震」で2005年に特許を取得して以来、実績を伸ばし、今年5月27日時点で累計289棟7049戸の免震建物を受注している。しかし、「いくら建物が地震の被害を免れても、インフラが絶たれてしまえば生活は維持できない」と同社営業推進室長の佐藤秀和氏。非常時も住み続けられる建物にするための方策を課題としてきた。

 一方の岩谷産業は2011年の東日本大震災で自社の仙台拠点が被災。非常用ディーゼル発電機で必要な電力をまかなった経験から、LPガス発電機の開発に乗り出した。「まず、自社の基幹基地から設置を開始。さらに、マンションや介護施設向けの商品開発を行った」と同社住宅総合サービス部長兼住環境システム課長の駒嶺優茂礼氏は説明する。

 スターツCAMとの連携は2011年12月に発表。新築賃貸住宅へのガス発電機納入は「アネシス リアン」が第1号となった。