木質バイオマスでエリアに熱供給

 建築設計だけでなく、エネルギー供給の面でも、循環型まちづくりと産業振興の両面での効果を意識した取り組みが進む。オガール地区(5ページ図6)への木質バイオマス(木質チップ)を燃料としたエネルギー供給事業だ。オガールタウンの住宅57戸と紫波町役場新庁舎には暖房熱と冷房熱を、民営のスポーツ・宿泊施設「オガールベース」には暖房熱、冷房熱、給湯熱を供給する。住宅街区も含む複数の施設に木質バイオマスで熱供給を行う事業は全国でも珍しい。紫波町が事業者を公募し、紫波グリーンエネルギー(紫波町)が選定された。

 住宅の建て主は必ずしもこの熱源を利用する必要はないが、事業会社の試算では、初期費用も含む30年間のトータルコストで比較すると、エコキュート、ガス、灯油それぞれとエアコンを組み合わせた場合より安価に納まるという。

 事業者への木質チップ供給は、紫波町農林公社が一括して行う(図4)。地元の林業事業者間のバランスなどに気を使うことなく、事業者が安定的に木材を調達できる仕組みだ。

図4  チップにした地元木材を使ってオガール地区に熱供給する
住宅57戸と紫波町役場新庁舎には暖房熱と冷房熱を、オガールベースには暖房熱、冷房熱、給湯熱を供給する。供給管は事業者が敷設した。紫波町農林公社が事業者にチップを供給する(資料:紫波町)