町産木材を使う仕組みを

 14年6月末には、モデルハウス「紫波型エコハウスサポートセンター」(下写真、図3)が完成、PRを本格化する。

5月11日に行われたモデルハウス「紫波型エコハウスサポートセンター」の見学会の様子。左下は南面の開口部と日射を遮る庇を兼ねたバルコニーなど。右下は完成後は見ることが出来ない気密シートの施工状況(写真:日経アーキテクチュア)

図3  紫波型エコハウスサポートセンターの平面図と概要
紫波型エコハウスでは、外装の立面部分の30%以上を木材とすることを推奨している。木材はこまめなメンテナンスが必要で面倒だが、手入れをきちんとすることで、建築物としての資産価値を長く維持させたいと考えた。また、このプランでは1階を店舗としたので寝室以外は2階に配置したが、入れ替えても成立する間取りだ。住宅街区の中央を南北に貫く町道沿いは、賑わい創出のため店舗付き住宅を推奨している(図面提供:紫波町、設計:みかんぐみ)

紫波型エコハウスサポートセンターの建築概要

(資料提供:みかんぐみ)
  • 所在地:岩手県紫波町紫波中央駅前
  • 地域・地区:第2種住居地域
  • 敷地面積:224.38m2
  • 建築面積:67.84m2
  • 延べ面積:122.58m2
  • 構造・階数:在来軸組工法、地上2階建て
  • 設計者:みかんぐみ
  • 施工者:橘建設株式会社
  • 竣工:2014年6月予定

主な環境配慮仕様・数値

  • 断熱材 屋根:高性能グラスウール16k充填300t、外壁:高性能グラスウール16K充填200t、基礎下:スタイロフォーム 100t、基礎立ち上り部:パフォームガード100t
  • 開口部 高性能木製トリプルサッシ、樹脂トリプルサッシ、Low-Eガラス(飯田ウッドワークシステム、Green Bridge、山崎屋木工製作所、エクセルシャノン、YKK AP)
  • Q値:0.81W/m2K
  • UA値:0.216W/m2K
  • C値:0.8cm2/m2
  • 年間暖房負荷:45.14w/m2K
  • 設計年間1次エネルギー消費量:22.40GJ/年

 このサポートセンターは、モデルハウスとしての機能のほか、エコハウスの新築や既存住宅のエコ改修についての相談などを、オガールタウンの分譲に限定せずに受け付ける窓口を常設する。町が運営し、厚生労働省の緊急雇用創出事業補助金を活用して紫波町農林公社に業務を委託する。サポートセンターは、分譲地完売後に住宅として一般に転売する予定だ。

 サポートセンターでは、宅地購入希望者を対象とした宿泊体験イベントを冬場に実施する計画もあるという。断熱性能が高く冬でも暖かく快適な紫波型エコハウスが評判になれば、紫波町の1万世帯超の住宅が改修や建て替えをしようとするときに、高性能な断熱仕様が取り入れられる可能性が高まる。そうなれば持続的な経済波及効果を生み出すことができる。

 地元事業者の施工技術については、環境性能の数値計算など不慣れな部分はあるものの、寒冷地ということもあり断熱施工などの経験は積んでおり「技術は十分ある」(竹内氏)という。 指定建築事業者への支援策として、町では竹内氏に設計を依頼して、南入り、北入り、バリアフリー、2世帯、店舗付きなど7つの住宅モデルパターンを用意(サポートセンターも含めると8つ)。事業者がこれらを自由に参照・活用できる仕組みを整えた。