岩手県中央部に位置する紫波町。人口約3万4000人弱の自治体が進める駅前開発事業「オガールプロジェクト」が全国から注目を浴びている。遊休状態だった町有地にサッカー場、官民複合施設などを集積して賑わいを生み出した。ここに57戸のエコ住宅街区が生まれようとしている。

紫波町の概要
岩手県のほぼ中央に位置する。人口3万3825人、世帯数1万1493世帯(2014年4月末)。総面積239.03km2。うち約57%が森林。町の中央部を国道4号、JR東北本線が縦断し、西部には東北自動車道紫波ICがある。農業がさかんで食料自給率は170%。2001年6月に条例を制定し「循環型まちづくり」に取り組む

 (1)年間暖房負荷48kWh/m2以下、(2)相当すき間面積(C値)0.8cm2/m2以下、(3)構造材における町産木材の利用率80%以上――。岩手県紫波町で開発が進む住宅街「オガールタウン日詰二十一区」(以下オガールタウン)の宅地分譲の条件だ。

 オガールタウンは、町有地を紫波町が直接、宅地として分譲する。町が独自に定めた「紫波型エコハウス基準」(前記(1)~(3))を満たす住宅を建てること、町が指定する事業者と建設工事請負契約を締結することなどが宅地分譲の条件だ。健康で快適に過ごせる高性能なエコ住宅の普及と、地域の林業や住宅産業の活性化を推進する。

 建設事業者には16社を指定している(2014年5月末時点)。エコハウス基準や景観協定などオガールタウンの方針を理解した地元建設会社や工務店を、紫波町が指定する(図1、2)。

図1 オガールタウン宅地分譲の建築条件と推奨指針
(紫波町の資料、取材をもとに作成)

図2 地元企業による住宅の設計・施工のイメージ
「オガールタウン日詰二十一区」では、町が直接分譲するので仲介手数料は発生しない。調整会議が定めたエコハウス基準に沿って、地元の指定事業者が住宅を建設する(資料:紫波町の資料をもとに作成)

 2013年10月、まずは全57区画のうち8区画を売り出し、14年5月末時点で3区画が売約済みとなっている。6月中にも第1号の住宅が着工予定だ。