土砂崩れなどの災害現場では、人間が立ち入りにくい状況のもと、被害状況や規模の確認などを迅速に行うことが求められます。そこで日本建設情報総合センター(JACIC)が開発したのが、デジタルカメラで撮った写真から断面図の作成や土量計算、積算などを行える災害復旧効率化支援システム「Photog-CAD」です。今回は、広島県三次市の土木施工コンサルタント、シビル・ヒロの山中浩氏に、その使い勝手を災害現場で実際に試してもらいました。

【今回の製品】
Photog-CAD日本建設情報総合センター
【今回の実験隊】
  山中 浩 氏(シビル・ヒロ
デジタルカメラを用いた写真測量技術とCADを融合させ、現地調査・測量、設計・積算の作業をシステム化することを目的に開発された。断面図の作成や数量計算、積算機能も備えている。 広島県三次市で土木施工コンサルタントを営む。電子納品関係の業務を得意とし、CALS/ECエキスパートの資格も保有している。建設ブロガーとして現場管理からCALS/ECまで、現場の実情を情報発信するブログ「もぐらくん」も運営している。

●はじめに

このたび使用してみるソフトウェア(災害復旧効率化支援システム)は、発注者が主に使用するものと聞き検証してみました。

建設CALS/ECの目標でもある「情報の電子化」「情報の共有化」に向けて、公共工事の電子化が各地方で展開されています。その中でコストの縮減が大きな課題となっていますが、施工側に多くしわ寄せがきているように思われがちです。

しかしこのソフトは発注者内でのコスト縮減に向けてあるシステムの一つと位置づけられると思われます。



初めにことわっておきますが、“システム”と名前があるとむずかしそうに感じますが、簡単に説明すると「デジタルカメラで写真を撮り、図面を作成して積算ができるソフト」 です。写真を撮って 三次元図面作成 に、わくわくしながら使ってみました。
Photog-CADによる作業手順


●システムの操作手順

【準備した物
・デジタルカメラ(推奨600万画素以上)・巻尺
・赤白ポール(1本)・ターゲット(目印)
・Photog-CAD (災害復旧効率化支援システム)
・総合単価
 ※(財)日本建設情報総合センター(JACIC)のホームページより、ダウンロードした単価ファイルを使用。(要ID登録)


(1)災害現場の写真撮影

このたびモデル現場は大雨で崩壊した法面を使用しました。




使用したデジタルカメラ

ニコン COOLPIX S600
CCD  : 1/2.33型原色CCD
総画素数:約1000万画素
焦点距離:5.0-20.0mm (35mm判換算28-112mm)

撮影準備
まず現地に基準となるポール、ターゲットを設置します。

(図1) (写真1)
(写真2)

2mのポールを垂直に設置します。(写真1) その際ポールの上下に端となる目印にターゲットを両面テープなどで設置します。そして、ポールの対面側に基準となるターゲットを設置します。

Photog-CADに取り込んでターゲットを確認するときには数色の色つきターゲットを使用した方が便利です(写真2)。このたびはちょっと工夫をしてターゲットを地面に差し込めるように釘を取り付けてみました。

写真内で基準距離を決定する必要がため、ポール、基準ターゲット間の距離、L1を計測しておきます。


次に変化点にターゲット(目標物)を置きます。このターゲットは精度を上げるために使用するので、現地にあるものを使ってもよいです。

特に災害現場内に立ち入ることが難しいことが多く、石や木の根など3枚の写真を見て同じものが確認できればよろしいです。

カタログによればきちんと撮影や設定ができれば実測との対比で10cm以内の精度が保たれるそうです。



写真撮影

撮影は崩壊している左側、正面、右側の3方向から行い、正面撮影は左右のポール、基準ターゲットの中間地点から直角となるように撮影を行います。

(左端) (正面) (右端)


奥行きの精度を上げる際には、スタッフなど基準になるものを置いて撮影を行います。(このたびは撮影時に置いてみただけです)

ここでの注意事項はカメラのズーム設定は最大広角、最大望遠で撮影を行います。(焦点距離が変わるとシステム内での設定が難しくなります)

条件の良い現場での作業は比較的軽微で済みますが、撮影ができないくらい狭い所や、ターゲットを配置できなかった時には精度が悪くなることや、システムの登録作業が大変になりますので、注意が必要です。またPhotog-CADに使えるデジタルカメラであるかも事前に確認されたほうがよろしいです。

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