「バチッ、バチッ、バチッ」。緑色のレーザーが照らすコンクリートの表面から、かすかにちりが舞った。西日本旅客鉄道(JR西日本)が、鉄道総合技術研究所やレーザー技術総合研究所などと共同で数年前から開発してきた「レーザー法」が、いよいよ実用段階に入ったのだ。

 レーザー法は、コンクリート内部に潜んだ「浮き」や「剥離」などの欠陥を探し出す最新の非破壊検査技術。山陽新幹線のトンネル壁面を点検するために、JR西日本などが開発を進めてきた。同社は数年以内の本格導入を目指し、さらなる改良に取り組んでいる。

 その仕組みを、簡単に説明しよう。まず、検査装置から衝撃波励起用レーザー(パルスレーザー)を、点検したいコンクリートの表面に照射する。すると、「アブレーション」という現象が起こる。表面がわずかに蒸発してガスが発生し、その反作用で内部に衝撃が加わり、コンクリートが振動するのだ。そこに、緑色をした振動検出用レーザーを照射して、振動の波形を計測する。

2013年に山陽新幹線のトンネル内で実施した試験の様子。点検用の中央通路に走行型のレーザー検査装置(黄色い車両)を持ち込み、覆工コンクリートの点検を実施した(写真:JR西日本)